三種類のフィボナッチ、特に値戻しを利用するトレーダーが多いが、エリオットの波動を使うトレーダーも結構いる。スティーブ・ホッホバーグ氏は、エリオットの波動を基盤にしたマーケット分析で知られているが、こんな予想をしている。
・一般的に、夏は退屈なマーケットになりやすい。しかし、第3の下げ波動が始まる可能性があるから、場合によっては予想以上に大きな下落となることも考えられる。
・ダウ指数は、34年間に及ぶ長期トレンドラインを割った。これが意味するのは、今年の後半に、マーケットが一大ラリーを展開して高値を更新する可能性がゼロになったということだ。
・もちろん、一時的な反発は何回か起きることだろう。しかし、ダウントレンドにおける反発は、空売りの好機会だ。
・誰もがインフレの心配をしているが、今回のインフレは、いつもとは様子が違っている。歴史を振り返ってみると、投資家たちは、インフレ対策として不動産投資を選んだ。しかし、ご存知のように、今日のアメリカは異常な速度で住宅価格が下がっている。
・住宅市場が頂点に達しているころ、「短期住宅投資法」という本が出版された。そして今日、差し押さえとなった物件に投資して儲けよう、という本が出版されている。言うまでもなく、絶好のタイミングで本が出版されることは無い。
・相変わらず信用収縮が続いている。銀行は、新しい基準を設定し、消費者は金を借りるのが更に難しくなった。
・ベアマーケットでは、落下中のナイフを受け取ろう、などということをしてはいけない。とにかく、やがて訪れる底で買い出動できるのは、口座に十分な現金がある人たちだけだ。
弱気なホッホバーグ氏だが、エール大学から発表された統計を見てみよう。
(赤は個人投資家、そして青が機関投資家)
上は、向こう1年間を考えた場合、株式市場は上がると思うか、という質問に対する回答が示されている。青い線は上昇し、機関投資家は強気だが、下降する赤の線で分かるように個人投資家は弱気だ。もちろん、これだけでは判断できないが、大衆のタイミングの悪さには定評があるから、ひょっとするとそろそろ予想以上に強いラリーが展開されるかもしれない。
(情報源: http://icf.som.yale.edu/financial_data/confidence_index/YearIndex.shtml