9月から開始された積極的な金利引下げ政策で、米国短期金利は、5.25%から2%まで大きく引き下げられた。これで、低迷する米国経済をジャンプスタートさせることができるはずだったが、上昇の止まらないエネルギー価格のお陰で、まだハッキリとした利下げ効果を見ることができない。
ファースト・アメリカン・ファンドの、デービッド・チャルプニック氏は、こう語っている。
「不景気を心配する人たちは減るどころか、逆に増えているのが現在の状態です。経済に活を入れるため、連銀は徹底した利下げを行ったわけですが、これは穀物や原油を大きく上昇させる原因になってしまいました。ガソリン、トウモロコシ、肉、と多くの物が高くなりましたから、消費者は家計のやりくりに大変です。現に、消費者信頼感指数は、1970年代以来初めて見る低レベルに落ち込んでいます。」
ファンドマネージャーの中には、連銀は金利を引き上げれるべきだ、と主張する人たちもいる。なぜなら、低金利でドル安が進み、原油や他の商品価格を急騰させてしまったためだ。
「前回の会議で、連銀は金利を据え置きましたが、0.25ポイントの利上げを実施するべきでした。そうすることで、連銀はインフレ問題に真剣に取り組んでいる姿を、消費者たちに見せることができました」、とマイケル・ファー氏(ファー・ミラー・アンド・ワシントン)は言う。
それでは、インフレ対策として、どんな物に投資したら良いだろうか?テクニカル分析で知られる、マイケル・カーン氏は、こう書いている。
インフレ対策として、金と銀の投資が一般的に選ばれるが、現在どちらも割高だ。インフレが進むと、国債が売られ利回りが上昇する。そんな状況で値上がりするのが、Rydex Juno Investor fund (RYJUX)、そしてProFunds Rising Rates Opportunity fund(RRPIX)の二つのミューチュアルファンドだ。
ミューチュアルファンドが嫌いな人なら、株と同様に取引できる、The UltraShort Lehman 20+ Year Treasury ProShares ETF(TBT)を利用すると良いだろう。この上場投信は、長期国債の利回りが上昇すると上がる仕組みになっている。(注:この上場投信は、取引が始まってからまだ日が浅く、一日の平均出来高も16万8000株程度だからトレードには向いていない。)
(情報源: http://www.usatoday.com/money/markets/2008-07-02-stocks-outlook_N.htm