記事を読み進むと、これは予想ではなく、アナリストの議会での証言だった。マイケル・マスターズ氏(マスターズ・キャピタル・マネージメント)は、こう述べている。
「もし議会が、エネルギー先物市場での投機を規制する法案を通過させれば、30日以内に、小売ガソリン価格は現在の半額に相当する、1ガロン2ドル程度まで下がるだろう。同様に、現在135ドル近辺で取引されている原油も、1バレル65ドルから75ドルに下がることだろう。」
ガソリン高は、今日の米国消費者を大きく悩ませているだけに、政治家も票稼ぎのために無視することができなくなった。現に先日、カリフォルニア州選出の下院議員、マキシーン・ウォーターズ氏(民主党)は、石油会社を国有化するべきだと議会で発言して、論議を巻き起こしている。(注:論争を引き起こした一番の原因は、民主主義、資本主義の理念を掲げる米国の政治家が、国営化という信じられない言葉を使ったことにある。)
この発言に関して、マイク・シュミット氏(hedgefolios.com)は、こんな感想を書いている。
「国有化する、という言葉を聞いて、笑っている他の議員たちの姿が見えたが、私には笑うことができなかった。困ったことがあると、何でも政府に解決させようとする、社会主義的な人たちが増える今日だが、石油会社の国営化は危険なアイディアだ。
数年ほど前、ベネズエラは石油会社を国営化し、石油の在庫量は米国の在庫量を抜いた。ベネズエラに限らず、石油の在庫量が多い国に共通して言えることは、石油会社が国営化されていることだ。
しかし、マキシーン・ウォーターズ氏、そして氏の意見に賛成する人たちは、肝心な事実を忘れている。これらの大産油国は、石油会社を既に国営化しているにもかかわらず、今日の原油急騰を避けることはできなかった。ただでさえ石油の在庫量が少ないアメリカが、石油会社を国営化しても、これは世界の石油供給量に大した変化を与えることは無い。
ウォーターズ氏は、アメリカの3大石油会社を目の敵にしているようだが、それら3社を国有しても原油の値下がりを約束することは無理だ。石油業界には採掘業者、精油業者、パイプライン業者、それに多くの独立系企業も存在する。ウォーターズ氏は、それらの会社も国営化するつもりだろうか?」
マキシーン・ウォーターズ氏
http://seekingalpha.com/article/80647-nationalizing-oil-well-intentioned-but-wrong)