2007年、米国消費者は2006年を12%上回る、168億ドルに相当するボトル入りの水を買った。しかし、業界誌Beverage Digestによれば、この上昇率は最近18年間で最も低い伸びだ。テキサスに在住する、へザー・ケネディーさんは、こう語っている。
「健康的、それに水道の水より安全、と思っていましたが、それは事実ではありませんでした。ボトル入りの水は、お金の無駄使いのような気がします。」
コカコーラ・エンタープライズは、先日、低迷する景気を理由に、ボトル入り水の売上予想を下方修正したが、ウィリアム・ペコリエロ氏(モルガン・スタンレー)は、こう述べている。
「ビタミン・ドリンクや、フルーツの味付けをした水の人気が上がり、消費者たちは単なる水を買わなくなってきました。それに、環境問題も、ボトル入り水の売上に悪影響になりました。ボトルを作るには原油が必要になり、飲み終わった後の空ボトルは、環境汚染につながります。それに、もともとタダの水に、金を払うのもバカらしく感じられるようになったようです。」
アメリカには、The Tappening Projectという、水道の水を飲み水として促進させ、環境に貢献しようというグループがある。11月以来、水道の水を入れるボトル(ステンレス製)は既に20万以上売れ、実際にこれを使っているリンダ・シフマンさんは、こう語っている。
「一つ14ドル50セントで、ステンレス製のボトルを二つ買いました。退職してから、あれこれと節約をしていますが、ボトル入りの水はお金の無駄になるだけでなく環境汚染の原因にもなっています。もう二度と、ボトル入りの水は買いません。」
こんな状況だから、クロロックス社の浄水装置がよく売れている。発表によれば、5月の売上は、二桁の上昇率だ。マサチューセッツに住む、ロビン・イェーガーさんは、こんなことを言う。
「飲み水は水道の水ですが、そのまま飲むのではなくて、浄水した水を飲んでいます。子どもたちは、浄水していない水は、まずくて飲めないと言っています。」
マリオット・インターナショナル本社では、3500人の社員に水を入れるボトルを配り、各階に浄水装置を設置した。シカゴでは、1月からボトル入りの水に5セントの課税を開始した。そして、サンフランシスコの市役所もマリオットのように、ボトル入りの水をやめて浄水器の設置だ。
ステンレス製のボトル
(参考にしたサイト: http://www.usatoday.com/money/industries/food/2008-06-17-tap-bottled-water_N.htm?loc=interstitialskip)