ボブ・ファーレル氏は1973年、1974年の厳しい下げ相場、1987年の暴落、そして1990年代後半のインターネット株バブルを、最前線で目撃したマーケットのベテランだ。早速、氏が語る、マーケットに存在する10の法則からいくつか見てみよう。
・全ての専門家の言うことが同じなら、それとは正反対な結果が待っている。
S&P社のストバール氏は、同様なことを、こう言い換えている。「皆が皆強気なら、まだ買っていない人は、どれくらい残っているだろうか?皆が皆弱気なら、まだ売っていない人は、どれくらい残っているだろうか?」
・マーケットが本当に強いなら、幅広く多くのセクターが買われ、逆に弱いマーケットでは、ごく限られた優良銘柄だけが買われる。
1970年代が始まったころ、「Nifty 50」と呼ばれる、ニューヨーク証券取引所に上場された人気大型銘柄があった。他の銘柄は無視され、この50銘柄だけに資金が集中したため、株価は超割高レベルまで買われた。もちろん、最終的には大きな下げが待っていた。
・大衆は、天井で最も積極的に買い、大底で買うことはない。
テレビ、新聞、雑誌でも分かるように、マスコミも天井で超強気になり、大底で超弱気になる傾向がある。投資心理を把握する一方法として、多くの投資家たちは、プット/コール・レシオ(プットオプションの出来高をコールオプションの出来高で割ったもの)を活用している。
プット/コール・レシオ(週足)
1を超える数値は弱気、そして1未満の数値は強気な投資心理を表している。注目したいのは、線を入れたが、この指数が極端なレベルに達した時だ。
S&P500指数に連動する、SPY(スパイダー)の週足チャートと比べてみよう。
1、2007年7月下旬、プット/コール・レシオが1.40を超えた時、マーケットは底を打っていた。
2、2007年10月、プット/コール・レシオが0.8を割った時、マーケットは天井だった。
3、2007年12月、プット/コール・レシオは0.8を大きく割り込み、ここもマーケットの天井だった。
4、2008年3月、プット/コール・レシオは1.4に達し、マーケットは底を打った。
(注:1.4と0.8は絶対的な数値ではなく、マーケット環境が変われば、この極端なプット/コール・レシオのレベルも変わる。)
逆指標として役立つプット/コール・レシオを、ぜひ株投資に利用してほしい。