バドワイザーで有名なビール会社、アンハイザー・ブッシュ(BUD)が、ベルギーのInBev社に買収される可能性がある。このニュースで動揺しているのは、アンハイザー・ブッシュの本社がある、セントルイスの人たちだ。
地元でレストランを経営する、ジョン・シュート氏は、こう語っている。
「お客さんの多くは、ビール工場で働く人たちですが、もし買収が実現すると職を失うのではないかと心配しています。私も、買収は商売に悪影響になるような気がします。」
スミス・ムーアのアナリスト、ジュリー・ニーマン氏によれば、InBev社の徹底した経費節約は業界内で定評がある。「InBevは、鋭いメスを持った外科医のようです。とにかく、切り落とせるものは、容赦なくどんどん切り捨てます。」
更に、ニーマン氏はこう付け加える。「アンハイザー・ブッシュの本社に勤務する、管理職の人たちは、ほぼ全員社員削減の対象になることでしょう。InBevに必要なのは、ビールの販売ネットワークとビール工場だけです。」
まだ買収が確実になったわけではないが、報道によれば、InBevはアンハイザー・ブッシュ(BUD)を460億ドル(1株あたり65ドル)で買収を考えている。
ここで、もう一度、ジュリー・ニーマン氏を引用しよう。「もし、本当に一株65ドルが提示されるなら、たとえ会社役員たちが反対しても、株主たちは大喜びすることでしょう。水曜、アンハイザー・ブッシュは55ドル13セントで終了しました。65ドルなどという株価は、いまだに誰も見たことがありません。とにかく、この株は気の抜けたビールのようなものですから、65ドルはとても魅力的です。」
ビールの原材料の値上がり、そしてワインやカクテルに人気が集まる今日、アンハイザー・ブッシュは他のビール会社と同様に、厳しいビジネス環境に直面している。現に、全米第2位と3位のビール会社、Miller BrewingとMolson Coors Brewingは合併が計画され、明らかにこの業界には時代の変化が訪れている。
アンハイザー・ブッシュは、長年にわたって、セントルイス地域社会に大きく貢献してきた。そして、地元住民たちも、アンハイザー・ブッシュを圧倒的に支持した。しかし、買収が成立してしまえば、セントルイス=アンハイザー・ブッシュの公式は事実上消滅するわけだ。
(参考にしたサイト:http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/Extra/CouldUSLosetheKingOfBeers.aspx)