先ず、チャートを見てみよう。
(Bespoke Investment Groupより)
2本の線は、向こう12カ月以内に、アメリカは不景気に陥る可能性がどれくらいあるか、という質問に対する回答を表している。
青い線は、経済学者の回答を示し、4月の70%の確率で不況になる、という高数値から55%に下がっている。赤い線は、Intradeで取引されている経済予想コントラクトの動きを表し、4月の72.9%から27.3%に大きく下落している。
(注: intrade.comは正式な先物市場ではなく、誰もが参加できる予想相場だ。経済の動向だけでなく、次の大統領は誰か、などといったことにも賭けることができる。)
アメリカは既に不景気だ、と主張する経済学者は、4カ月連続で悪化している雇用状況を挙げている。しかし、経済が衰えているとは言っても、GDPは依然としてプラス成長だから、不景気という結論を引き出すのは早すぎる、と反論する専門家も当然多い。
ベン・スタイン氏(経済学者、著述家、タレントと様々な分野で活躍)は、こう語っている。
「4月、アメリカは雇用者数が2万人減った。アメリカの総労働人口は1億6000万だから、8000人に1人が職を失った、ということになる。言うまでもなく微々たる数字だ。
更に付け加えれば、不景気の定義は、2四半期連続でのGDPマイナス成長だから、今の米国経済には全くあてはまらない。しかし、マスコミは躍起になって、アメリカは既に不景気だ、と報道している。
事実は、アメリカの雇用状況は健全であり、住宅市場もマスコミが言うような悲惨な状態ではない。経済レポーターたちの経験は浅く、彼らは単に自己の栄誉を求めて、偏見に満ちた報道をしているだけだ。」
結論: 「経済学は陰気な科学だ。」 トーマス・カーライル
追伸: 岡本氏のブログは陽気です。
ベン・スタイン氏
(参考にしたサイト: http://bespokeinvest.typepad.com/bespoke/2008/05/economist-reces.html