1、中国、インド、マレーシアなどの途上国の消費者平均収入が上がり、以前よりも食べる回数が増えただけでなく、広範囲にわたる食品需要が上昇した。特に、肉、卵、ミルクの需要が大きく上がっていることを、パデュー大学のクリス・ハート氏は指摘している。
2、過去4年間の不順な天候で、オーストラリア、南ヨーロッパ、ウクライナ、そしてアメリカの農産物の生産量が減った。米国農業会連合の、ジム・スタートウェル氏は、こう語っている。
「麦と酪農製品の主要生産国であるオーストラリアが、長期間にわたる干ばつで、麦やミルクの輸出が大幅に減ってしまった。」
3、ドル安の影響で、海外への米国農産物の輸出が増大した。そのため、米国内の余剰農産物が減り、米国内の食品価格を上昇させる結果となった。
4、ヨーロッパとアメリカで、エタノールやバイオ燃料の需要が高まり、代替エネルギーの原料になる、トウモロコシ、大豆、サトウキビなどの値段を押し上げた。
食品に限らず、物価高が顕著になった今日、この状況で恩恵を受けているのは誰だろうか?グレース・チェン氏(GraceCheng.com)は、こう述べている。
「最近の好決算発表で分かるように、クレジットカード2社、ビザ(V)とマスターカード(MA)は、間違いなく物価高の恩恵を受けている。そして、原油やガソリンの値上がりが収益に好影響になったのは石油会社だ。たとえば、エクソン(XOM)の利益は17%増、シェルは25%増、そしてBPは63%増だ。
食品の値上がりで、農業経営者が利益を上げている、と思われるかもしれない。しかし、大幅なガソリンや灯油などの値上がりで、苦しくなっているのが現状だ。」
こんなことを、ハート氏(パデュー大学)は付け加えている。
「食品価格の上昇は、あと2年ほど続くと思われるが、米国が食糧不足に陥る心配は無い。」
と言われても、やはり物価高は頭が痛い。少しでも安い品物を求めて、ウォルマート(WMT)のような、ディスカウント店もインフレの恩恵を受けることだろう。
http://kabukeizainani.blogspot.com/
(参考にしたサイト:http://money.cnn.com/2008/04/30/news/economy/food_prices/index.htm?postversion=2008043016
http://www.gracecheng.com/stocks/2008/05/01/who-is-benefiting-from-high-commodity-prices/)