なぜ、これ以上の利下げは不要なのだろうか?アーウィン・ケルナー氏(キャピタル・ワン・バンク)の意見を聞いてみよう。
金利をどんなに引き下げても、信用収縮問題を解決することはできない。住宅市場が下げ止まり、不動産担保証券が安定してこない限り、この問題は無くならない。
利下げ政策を、これ以上続けることは、米国経済に悪影響だ。9月以来、連銀は膨大な資金を市場に注入してきた。お陰でドルが溢れ、インフレを引き起こす結果となった。
米国消費者は、インフレの悪化を予想している。ミシガン大学の調べによると、3月、消費者は今年の物価上昇率は4.3%になる、という見方だった。しかし4月、この数値は4.8%に上方修正されている。このように、皆が同じ考えを持つことは、自己達成的予言になってしまう可能性がある。
金利引下げを終了させることは、心理的に好影響にもなる。なぜなら、そうすることで、連銀は最悪の事態は去った、というメッセージを消費者に伝えることができる。
米国住宅市場に関して、イーライ・ブロード氏(KBホーム、米国第5位の住宅建築業者)は、ブルームバーグTVのインタビューでこう語っている。
住宅市場の底は全く見えない。現在、市場に出ている住宅を完売するだけでも、3年から4年かかってしまうことだろう。それに、住宅ブームの頃、多くの消費者は収入以上の返済不可能な金を家を担保にして借りてしまった。正に、自宅をキャッシュ・マシーンのように扱っていたわけだ。もちろん、こんな事は長く続かなかったが、今日アメリカは大きな代価を払う結果になったことは言うまでもない。住宅価格が、ここから更に20%下がったとしても、それは不思議ではない。
掲示板の書き込みを一つ載せておこう。
「分かり切ったことだが、連銀が金利を引き下げたのは、株価を上げるためであり、ウォール街を助けることだ。それ以外の目的などない。もちろん、現在の連銀には、何のインフレ対策も無い。」 Hondo2AZさん
バーナンキ連銀議長
(参考にしたサイト: http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aNGtHO1tbzng