マーケットは最悪な事態から脱した、と言っていた人たちも、決算シーズンの開始でまた動揺している。minyanville.comのトッド・ハリソン氏が、3月の安値割れの可能性について述べているので、簡単に要点だけ見てみよう。
・S&P500指数、そしてダウ指数の抵抗線は依然として破られておらず、下降基調に変化は無い。一見すると、マーケットは値固めをしているようだが、単に抵抗線の下で横ばいしているだけだ。
・ここが底だ、という声が聞こえるうちは、本当の底打ちは訪れない。
・バーナンキ連銀議長は、不景気の可能性を語るが、既に米国は不景気に陥っている、という事実を認めようとしない。現状を適切に把握できなければ、正しい経済措置を実施することはできない。
・現在世界が直面している金融危機は、大恐慌以来最悪のものだ、と国際通貨基金は発表している。
・著しい米国の雇用状況悪化。
・戦後10回の不景気を見ると、S&P500指数の平均下落率は32%ほどあるが、現在の下げ相場では、10月の高値から3月の安値までは19%しかない。
・パーティーで、「私は金融業界で働いている」、と言っても、まだ皆から無視されることはない。
・これだけ金融市場が混乱しているのに、どうして今回の不景気も軽度なものになる、と断言できるだろうか?
・まだ大衆は、完全に諦めムードになっていない。
・ビジネスウィーク誌は、まだ恐慌を予想していない。
・ドル安が大した買い材料にならず、もしドル高が訪れたら、いったい米国株式市場はどうなるだろうか?
・大底で買ってくれ、と指値注文を入れてあるが、まだ執行されていない。
・中国は、まだクライスラー・ビル(ニューヨーク)を購入していない。
相変わらず、ひょうきんなハリソン氏だ。
クライスラー・ビル