金曜の雇用統計を見て、アメリカは間違いなく不景気だ、と結論した人が多い。非農業部門の雇用者数は三カ月連続で減少し、失業率は4.8%から5.1%に上昇という状況だから、たしかに明るいニュースではない。
それでは、USA TODAYの掲示板を見てみよう。
・雇用者数が減少しているのは、海外へ職が逃げているからだ。 lglory2000さん
・失業中?真面目に探せば必ず仕事は見つかる! 51bさん
・雇用状況が悪化しているのに、不法滞在者は増える一方だ。 TopShelf さん
・景気には周期がある。今日のアメリカは、単に経済下降周期に入っただけだ。 truckmanさん
・多くの人たちは、トヨタやホンダの車に乗り、靴や衣類はほとんど中国製だ。これでは、雇用状況が悪くなっても仕方ない。 Deport Illegalsさん
・失業率が5.1%ということは、94.9%の人たちには職があるわけだ。これは悪い数字じゃない。 chard さん
ドナルド・ラスキン氏(投資アドバイザー)は、こう述べている。
アメリカは不景気だ、と言う人たちは、本当の不景気を知らない人たちだ。たしかに、3月の雇用者数は8万人減った。しかし、歴史を振り返ってみると、不景気下では毎月25万の職が失われている。現在のアメリカは不景気ではない。そして、アメリカは不景気に陥ることもない。
もう少し説明すると、ラスキン氏は、既に最悪の事態は去った、と確信している。理由は、連銀とJPモルガンによるベアー・スターンズ(大手投資銀行)の救済だ。場合によっては金融市場の大混乱、といった事態もありえたのだが、素早い連銀の措置で大事に至ることはなかった。これだけの難問を解決してしまったのだから、先ずアメリカが不況に陥ることはない、というのがラスキン氏の言い分だ。
もちろん、ラスキン氏が正しいかどうかは分からないが、そろそろ決算シーズンが始まる。実際の決算報告書を目の当たりにすれば、米国経済の方向が、もっと明確につかめることだろう。
バーナンキ連銀議長
(参考にしたサイト:http://www.usatoday.com/money/economy/2008-04-04-jobs-fall-80000_N.htm?loc=interstitialskip
http://www.smartmoney.com/aheadofthecurve/index.cfm?story=20080404-we-are-not-in-a-recession)