(チャートはINO.comより。 移動平均線は50日)
それでは質問しよう。もし、原油が100ドル台に定着した場合、航空会社は利益を上げることができるのだろうか?
下は、メリルリンチからの資料だ。
航空会社 | 75ドル | 95ドル | 100ドル | 110ドル |
アラスカ航空 | $104 | $14 | ($9) | ($54) |
アメリカン航空 | $797 | ($538) | ($872) | ($1539) |
コンチネンタル航空 | $444 | ($12) | ($126) | ($354) |
デルタ航空 | $538 | ($100) | ($260) | ($579) |
ノースウエスト航空 | $488 | $43 | ($69) | ($291) |
ユナイテッド航空 | $540 | ($116) | ($280) | ($609) |
合計 | $2913 | ($709) | ($1615) | ($3426) |
(注:単位は100万ドル。カッコ内の数字は赤字を示す。)
簡単に、一番下のユナイテッド航空を使って説明しよう。
・もし2008年度、原油価格の平均が75ドルの場合、ユナイテッド航空は5億4000万ドルの黒字になる。
・もし原油価格が95ドルになると、ユナイテッドは赤字に転落し、その額は1億1600万ドルになる。
・原油が100ドルなら赤字額は2億8000万ドル。
・原油が110ドルなら赤字額は6億900万ドルに達する。
ようするに、原油が100ドル台に落ち着いてしまったら、全ての航空会社は赤字経営になるわけだ。
FTNミッドウエスト証券のアナリスト、マイケル・ダーチン氏は、こう語っている。
「航空業界は、厳しい適者生存の時代に入った。航空料金は大幅な値上げが実施され、現在国際線で適用されている燃油サーチャージが、国内線にも適用されることになるだろう。」
USA TODAYによれば、各航空会社は既に切り詰めるところまで切り詰め、これ以上の節約は難しい状態だという。そこで、少しでも機体を軽くして、ジェット燃料の消費量を減らそう、という動きが出てきた。たとえば、ジェット・ブルー航空は、エアバスA320型の航空機から座席を6つ取り外した。アラスカ航空の場合は、機内食に使うカートを軽いものに取り替えた。しかし、それらは微々たる節約にしかならないようだから、やはりダーチン氏の言うように、航空料金大幅値上げしか解決策が無いようだ。
(参考にしたサイト:http://www.usatoday.com/money/industries/travel/2008-03-24-jet-fuel-costs_N.htm)