Wednesday March 19, 2008

US Market Recap

オリンピック目前、問題山積みの中国

18日の連邦公開市場委員会で、FF金利と公定歩合が、それぞれ0.75ポイント引き下げられた。

3月10日、北京オリンピックのマラソン金メダル候補だったハイレ・ゲブレセラシュ選手は、北京の大気汚染が健康に悪影響を及ぼす恐れがあることを理由に、競技不参加を表明した。中国の大気汚染は、何度かニュースで聞いたことがあるが、トップランナーが気にするほど汚れているとは知らなかった。

ジム・ジューバック氏(MSNマネー)は、「オリンピックは発展する中国を世界に誇示する絶好の機会だ。しかし、このオリンピックが中国の経済と株式市場に、大きな悪影響になる可能性がある」、と言う。氏の話を要約してみよう。

関係者や観測筋によれば、中国政府が、大気汚染を何とかしよう、と真剣になっているのは事実だ。現に、2000年オリンピックの開催地として北京が選ばれなかった理由の一つは、今日も問題になっている大気汚染だ。

中国政府は、工場を郊外へ移し、数百万本の木を植えて、都市に煙が行かないようにした。8万台に及ぶ古いタクシーも新型に換えられ、排気ガスによる大気汚染を減らした。更に政府は、地下鉄設備を拡張して、主要空港から都市への交通網を改善した。だが、これだけでは十分ではない。

2000年以来、北京は144%の経済成長を遂げた。車やトラックを所有する人たちも大幅に増え、その数は、毎年40万台の割合で増えている。発電所は、たしかに大気汚染を考えて、低硫黄炭を原料に使っているが、急速な経済成長で使用料は増える一方だ。また、建築ブームでホコリが問題化し、北京の粒子状物質による大気汚染は、ニューヨーク、ロサンゼルス、ワシントン、シカゴ、そしてアトランタを合計した量に等しい。

深刻な汚染状況だ。ここからが、ジューバック氏の本題になる。

・きれいな空気を実現するには、汚染の原因を断ち切ることだ。最終手段として、オリンピックの開催中だけに限らず、開催の30日前から、中国政府は北京近辺にあるセメント工場、化学工場などの操業を完全にストップさせる可能性がある。既に、大きな汚染源となっている10の工場はストップしている、という報道もある。しかし、工場の一時ストップは、経済や株式市場に悪影響となるのは言うまでもない。

・水汚染は、大気汚染より解決しやすいだろう。オリオンピックに備えて、きれいな水を、北京以外の場所から持ってくればいいのだ。既に政府は、農家に他の作物と比べて水が少なくてすむトウモロコシの栽培を命じ、余った水を北京へ運搬することを義務付けた。政府はそれに対する報酬を払うが、金額はたったの30ドル(約3000円)だ。

大切な水を、たった3000円で取り上げられてしまうのだから、農民の政府に対する不満は高まっている。実際に、ファイナンシャル・タイムズ紙は、「どうやって生きていくのだ」、という悲痛な人々の声を報道している。水だけでなく、オリンピックのために、多数の人たちの食料も犠牲にされるというから、国民の中国政府に対する不信は募る一方だろう。

とにかくオリンピックを成功させたい。まるで中国政府は、そのことしか頭にないようだ。もし本当にオリンピックが成功したら、中国政府は、どんな方法で国民に感謝の気持ちを伝えるのだろうか。

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ゲブレセラシュ選手

(参考にしたサイト: http://www.afpbb.com/article/sports/sports-others/athletics/2362629/2722798

http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/JubaksJournal/ChinasLoomingOlympicsDisaster.aspx

Stocks You Need To Know About

S&P500指数

3分足

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金利引下げニュース直後は下げ(円内)、そして再上昇となったS&P500指数。

Wall Street English

金利引下げ

Fed Cuts Funds Rate 0.75 Point

FF金利が、0.75ポイント引き下げられたことを伝える、AP通信の見出しだ。

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