著名アナリストが、B社を格下げする可能性が高い、と証券業界に詳しい人から聞いたら、あなたはどうするだろうか?もちろん、仮の質問だから、内部情報といったことは気にしないで答えてほしい。言うまでもなく、人気アナリストには一時的に株価を動かす力があるから、ほとんどの人たちは、実際に格下げが発表される前に、その株を売ることだろう。
ニューアーク・インベストメントの最高経営責任者、ジェフリー・ミラー氏は、格上げ/格下げに関して、こんなことを述べている。
単に株価が大きく動くだけでなく、アナリストの格上げ/格下げは、出来高も大幅に上昇させる。なぜ、そうなるのだろうか?考えられることが三つある。
1、機関投資家が、アナリストの言葉に反応して、マーケットへ参入した。
2、個人投資家がマーケットに殺到した。
3、短期トレーダーが、手っ取り早い利益をつかもうとマーケットに押し寄せた。
問題は、誰が動いたか、ということではなく情報を適切に判断することだ、とミラー氏は言う。それでは、アナリストのレポートを、どのように理解するべきだろうか?レークビュー・アセット・マネージメントの、スコット・ロスボート氏は、こんな事を指摘している。
アナリストが、格付けを変更したからといって、同時に目標株価も変えたとは限らない。目標株価というのは、そこまで株価が上がるという意味ではなく、正当評価額のことだ。分析を徹底的にするアナリストなら、最高の場合、最悪の場合、そして平均的な場合を想定して、三つの目標株価を算出する。だから投資家は、それぞれの目標株価と現時点の株価を比較して、投資するメリットがあるかどうかを判断しなくてはいけない。
忙しくて、いちいち調べている時間が無い、という人には、こんな投資のヒントがある。
毎年、ダウ30銘柄の中から、アナリストの評価が最も悪い5銘柄を買ったとしよう。結果は、2001年以来48.2%増だ。逆に、毎年アナリストの評価が最も良いダウ5銘柄を買ったとすると、現時点では0.2%の損が出ている。 (Bespokeインベストメント・グループ)
もちろん、格下げが全て買い対象になる、という意味ではない。ジェフリー・ミラー氏の言葉を記しておこう。
「格下げは、短期的、中期的に株価に悪影響になることは間違いない。要点は、長期投資の立場から見れば、このような短期的な株価の落ち込みが、買いのチャンスになることもある、ということだ。」
(参考にしたサイト: http://oldprof.typepad.com/a_dash_of_insight/2008/02/wall-street-res.html