ローンの支払いが不可能になり、差し押さえとなる住宅が急増していることは、既にニュースではなくなった。しかし、証券会社に勤める友人が、約10日ほど前に報道された、こんな記事をメールしてきた。ヘッドラインは、「差し押さえられた物件に住みつくホームレスたち」、というものだ。
ジェームズ・バータンさん、というホームレスの男性によると、差し押さえられた住宅は、電気やガスが切られていないことが多いので、とても便利だという。更に、バータンさんは、こう語っている。「ホームレスのシェルターは、あれこれ規則があるので面倒だ。しかし、無人となった差し押さえられた家なら、自分の好きなように使うことができる。」
シーラ・ウィルソンさんも、バータンさんのように、差し押さえられた家に住む一人だ。「シェルターからは何度も追い出されました。麻薬をやってはいけない、という規則がありますから、どこへ行っても私は追い出される結果になるのです。」
ホームレス問題に取り組む、マイケル・ストープス氏によれば、ホームレスの人たちが差し押さえられた物件に住み着くケースが増えている、ということを実証できるデータは無いという。しかし、ローソクなどが原因になって火災が発生する、といった事件が起きていることも事実だから、ホームレスが無人となった住宅を探していても不思議ではない、とストープス氏は付け加えている。
低迷状態から、なかなか抜け出せない米国住宅市場だが、ウェルズファーゴ銀行からのメモが話題になっている。要点を見てみよう。
下落する住宅価格、増える差し押さえとなる物件、といった現象は特定の地域だけに限られているのではなく、200以上の郡で起きている。2月29日より、当銀行の住宅ローンが変わる。条件は以前より厳しくなり、場合によっては、最高でも住宅価格の75%までしか融資できない。
このメモを読んだ、Bespoke Investment Groupのアナリストは、こんな感想を述べている。
ウェルズファーゴは、やっと住宅価格の下落に気がついたようだ。一先ず、おめでとう!2005年のピークから、住宅価格は既に大幅に下げている。言い方を換えれば、多くの住宅が割安になった、ということだ。こんな状況なのに、なぜ今さら厳しい条件を設定した住宅ローンを実施する必要があるのだろうか?
アナリストの言うとおりだと思う。やっと住宅が手の届く値段になり、購入を考えている若い人たちもいることだろう。しかし、条件が厳しくなってしまったのでは、けっきょく買い難くなったのと同じだ。とにかく、ウェルズファーゴのタイミングは悪すぎる。
Bespoke Investment のアナリストは、こんなことも言っている。「ウェルズファーゴは逆指標だ。住宅市場の底は近い。」
ウェルズファーゴ銀行
(参考にしたサイト:http://www.breitbart.com/article.php?id=D8USLGL81&show_article=1
http://seekingalpha.com/article/66410-is-wells-fargo-s-latest-memo-a-sign-real-estate-is-bottoming)