良いタイミングで、19日付けのビジネスウィークに、まるでリンチ氏の言葉を説明するような記事が載っていた。要点を見てみよう。
1、不安定な株式市場のことで悩まないこと
マーケットの先行きが分からないのは、あなただけではなく、専門家にも分からない。2008年、米国経済は下向きになる、という意見はたしかに多い。しかし、ゴールドマン・サックスのように不況を予想するアナリストもいれば、バーナンキ議長のように、減速はあっても不景気は無い、という見方もある。専門家の予想に基いた投資をするのではなく、実証された、優れた投資方法を選ぶことが大切だ。
2、分かりやすいものを選ぶ
サブプライム関連で多くの投資家が損を出したが、一番の理由は、何に投資しているかが分かっていなかったためだ。ローンが証券化されたもの、といった程度の理解はあっても、実際の仕組みまで分かっていた人は、ほとんどいなかったことだろう。
3、安全なものばかりを求めないこと
不景気を想定して、ほとんどの資金を、ヘルスケアや大型国際企業に移す人が多い。そうすることで、安全な投資になるかもしれないが、あまりにも投資リスクを避けることは利益の減少にもつながる。
4、十分な株以外の資金源
目先の値動きに気を取られないで、5年、10年後を考えて株に投資することが大切だ、とアドバイスする人たちが多い。しかし、現実には上げ相場があり、下げ相場が存在する。もし運悪く、ベアマーケットの時に緊急な金が必要になり、株を売らなくてはいけない、といった事態が生じれば、株で大きな損をすることになるだろう。こんなもしもの場合に備えて、株以外にも、マネーマーケットファンドのような形で、現金を蓄えておこう。
分からないものには投資しないことで有名な、ウォーレン・バフェット氏の言葉も記しておこう。
「株には、ストライクもボールも無い。あなたは、バッターボックスに立っている。ゼネラルモーターズ47ドル、という球が、あなたに向かって来る。しかし、あなたには、これがストライクなのかボールなのかが分からない。けっきょく判断できないまま、ゼネラルモーターズ47ドルは、キャッチャーのミットの中へ入って行く。だが、審判はストライクともボールとも言わない。要するに、株の世界では、あなたが空振りしないかぎりストライクにはならないのだ。」
ピーター・リンチ氏
(参考にしたサイト: http://www.businessweek.com/investor/content/feb2008/pi20080215_863091.htm?campaign_id=rss_daily