空売りで知られるダグ・カシュ氏(シーブリーズ・パートナーズ・マネージメント)が、「私のポートフォリオは、空売りが多すぎるかもしれない」、という興味深い発言をした。正に、ベアが心配し始めているわけだから、ここからは上げ相場を期待してよいのだろうか?
ロイターから、最近のヘッジファンドの動きに関する、このような報道があった。要点を箇条書きしよう。
・米国債10年物の買い控え。(以前のような国債に対する需要が無くなり、長期利回りが上昇する、とマネージャーたちは読んでいる。)
・ユーロ/ドル買いの大きな低下。(どの程度の勢いになるかは分からないが、ドル高が予想されている。)
・積極的な金利引下げ、そして経済救済対策が原因となって、S&P500指数の空売りが大幅に減少している。(株式市場は、既に底を打ったという見方の台頭。)
特に目立つこととして、テクニカル・アナリストのヘレナ・マイスラー氏は、こう述べている。
「半導体銘柄が徹底的に嫌われていたが、いよいよこのセクターが底打ちになったようだ。現に、半導体セクター指数は1月11日以来、ナスダック指数よりも良い動きを示している。」
ひょっとすると、カシュ氏が心配するように、マーケットはしばらく上昇基調になるかもしれないが、ここで、ブレット・スティンバーガー氏が挙げる、マーケットの習性のいくつかを復習しておこう。
・たとえマーケットが上昇していても、高値を更新する銘柄が増えないマーケットは失速しやすい。
・少ない出来高で高値を挑戦する時は注意しよう。たとえブレイクアウトになっても長続きしない。同様に、少ない出来高で安値をテストする時も要注意だ。
・マーケットのムードは大手機関投資家の動きで決まる。今日は下げた、上げた、ということだけに気を取られるのではなく、出来高に注意を払おう。例えば下げの場合なら、これは出来高を大きく増やして下げたのだろうか、それとも平均以下の出来高で下げたのだろうか?また、最近の上げた日と下げた日の出来高を比較して、機関投資家の動向を把握することも大切だ。
カシュ氏
(参考にしたサイト: http://www.brettsteenbarger.com/weblog.htm
http://www.thestreet.com/story/10402847/1/kass-color-me-more-bullish.html)