2008年、米国史上初の黒人大統領が誕生する、と言うのは投資戦略家のバイロン・ウィーン氏(Pequot Capital Management)だ。その他にも氏は、次のような予想を発表している。
・金利引下げ政策にもかかわらず、アメリカは、2001年以来初めての不景気に陥る。失業率は5%を超え、個人消費は冷え込む。銀行の貸し渋りが更に顕著になり、住宅市場の回復が遅れる。FF金利は3%を割る。
・S&P500指数は10%の下落となるが、エネルギーと原料関連銘柄に大した下げは無い。マーケットの地合は、夏頃から良くなる。
・原油高が、いよいよ消費者物価指数に反映され、インフレ率は5%を超える。大統領選挙戦では、スタグフレーションが重要な論点になる。
・西側諸国の経済低迷で、今年の前半、原油価格は80ドル台に落ち込むが、後半には110ドル台に急騰する。
・農産物価格の上昇が顕著になる。トウモロコシは1ブッシェルあたり6ドル、綿は1ボンドあたり85セントに達する。貴金属では、アジアで紙幣に対する信頼感が低下して、金価格は1オンスあたり1000ドルに上昇する。
・アメリカの不景気は、中国経済をやや減速させるが、中国株の方は大きな下落となる。インフレ抑制、そして高まる海外政府からの批判に応えて、中国は人民元の10%切り上げを実施する。深刻な大気汚染問題に抗議して、何人かの長距離ランナーは、中国でのオリンピックに参加することを拒否する。
さて、個人消費の冷え込みに関して、ミラー・タバック社のトニー・クレシェンジ氏は、こんなことを述べている。
大ざっぱな言い方だが、株価が1ドル下がると、向こう12カ月から18カ月の個人消費は約4セント下がる。この3カ月間で、米国株式市場は既に10%を超える下げだが、これが意味することは、向こう12カ月から18カ月の個人消費は800億ドルの減少になるということだ。
もし、クレシェンジ氏の言うとおりなら、今年の小売業界は暗い。そう言えば、モルガン・スタンレーのアナリストは、もし米国が不況に陥るならという条件付きで、ベスト・バイ(BBY 家電製品の小売店)の空売りを推奨していた。ジェフ・マック氏(マック・アッセット・マネージメント)は、「空売る必要は無いが、ベスト・バイには触らない方が良い」、と語っている。
トニー・クレシェンジ氏
http://blogs.wsj.com/marketbeat/2008/01/09/midday-tidbits-the-january-effect/
http://www.stockpickr.com/port/Fast-Money-s-Recession-Stock-Plays/