アメリカが不景気に陥る、などといった見方を信じてはいけない、とエコノミストのベン・スタイン氏は言う。「不景気論は、ウォール街の売り手によって作られた話であり、単に私たちを脅そうとしているだけだ」、ということらしいが、もう少し氏の説明を聞いてみよう。
・住宅市場について
たしかに、米国の住宅市場は低迷している。おそらく、戦後最悪のスランプだろう。しかし、忘れてはいけないのは、住宅市場が米国経済に占める割合は5%だ。金額的には住宅セクターの落ち込みは大きいが、経済全体の中で見れば、それはごく一部にすぎない。更に、住宅市場の不調は、既に1年以上続いているが、アメリカの失業率にほとんど影響を与えていない。
・サブプライム問題について
サブプライムが、マスコミの報道するような大打撃を米国経済に与えることはない。ここまで、800億ドルにおよぶ損失が出ているが、最終的には2000億ドルに達するかもしれない。500億ドルと聞いたら、だれでも膨大な金額と思ってしまうが、これは全米の銀行から融資されている額の0.5%ほどだ。
ベン・スタイン氏の楽観的な見方を肯定するように、ウェルズ・キャピタル・マネージメントのジェームズ・ポールセン氏は、こう述べている。
「サブプライム問題、それに住宅市場のスランプが原因になって、アメリカは不景気に陥る、と言われていたが、いまだにその兆しは見えない。相変わらず個人消費は順調、それに雇用状況も悪くない。投資家たちは、不景気の心配が不要であることに、遅かれ早かれ気がつくだろう。」
もし、本当に不況の心配が要らないことが確認されれば、当然の結果として、投資家たちはポートフォリオの調整をすることになるだろう。ファイナンシャル・コラムニストの、マイケル・ブラッシュ氏は、こう書いている。
経済の落ち込みを予想して、多くの投資家は、資金を大型優良株へ移した。しかし、経済は思ったほど悪くないと気がつけば、より大きな利益を求めて、投機性の強い小型株にも資金が割り当てられることになるだろう。場合によっては、5ドル以下の低位株も狙われることが考えられる。
もちろん単なるアイデアだが、面白そうな低位株として、ブラッシュ氏は次の5つを挙げている。
・Neuralstem Inc. (CUR)
・Syntax-Brillian Corporation (BRLC)
・Teton Energy Corp. (TEC)
・International Royalty Corp (ROY)
・Abraxas Petroleum Corp. (ABP)
ベン・スタイン氏
(参考にしたサイト: http://finance.yahoo.com/expert/article/yourlife/58763;_ylt=AuW4ORgyaRmC.MHPDtPGJfi7YWsA
http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/CompanyFocus/5HotStocksAtBigMacPrices.aspx?page=1)