ガッカリな金利引下げ幅で急落、と思えば、水曜のマーケットは打って変わって、威勢の良いスタートだ。いったい何が起きたのか?「電撃発表」といったヘッドラインもあったが、簡単に言えば、連銀は海外の中央銀行と協力して、信用収縮問題を解決するために、大量な現金を金融市場へ注入することになった。
なるほど、それで強い寄付きになったのか、と納得しようとしたが、どうもシックリしない。あれだけ長い陰線の後、こうも簡単に跳ね上がると、何かバカにされたような気分になってしまう。
シャーク・アセット・マネージメントの、ジェームズ・デポーレ氏は、こう語っている。
今朝発表された連銀の新対策が、本当に効果的なものかどうかは分からないが、発表のタイミングが悪すぎる。マーケットは、昨日の0.25ポイントの利下げニュースをまだ完全に消化していない状態だから、連銀は少なくとも数日待つべきだった。
もちろん、株式市場の機嫌をとるのは連銀の仕事ではない。しかし、連銀は、消費者信頼感と密接な関係にある、投資心理を理解しなくてはいけない。昨日の今日といった形で、こんな発表をされると、連銀は投資心理など全く気にしていないようだ。
デポーレ氏に同感する人は多いと思う。0.25ポイントの金利引下げは、予想されていたとはいえ、期待されていた0.5を下回り、投資心理に悪影響を与えた。投資心理が冷え込めば、デポーレ氏の言うように消費者信頼感も落ち込んで、結果的には個人消費の減少に結びつく。
ジム・クレーマー氏(マッド・マネー)の意見はこうだ。
連銀の新プランは、金融機関のためでなく、国債市場のために作られたようなものだ。十分な金を金融市場に流し込む、というのが目的のようだが、金融機関は連銀からの金など要らない。現に、サブプライムで大きな損を出したカントリーワイドは、バンク・オブ・アメリカから20億ドルの金を借りることができた。
とにかく、連銀は宿題をしていない。連銀は、アナリ・キャピタルのマイク・ファーレル氏や、ゴールドマン・サックスの国債専門家たちから話を聞いて、金融業界の現状を正確につかむことだ。ここまでのバーナンキ議長を見てみると、机上の理論ばかりで、実践的な問題解決策が無い。
もちろん、皆が皆クレーマー氏のように連銀を非難していないが、こんな見方もある。
「世界の中央銀行が協力するのは良いことだ。しかし、この協力が意味するのは、現在の信用危機は、思っている以上に深刻な状態だ、ということではないだろうか。」 フレデリック・ラフィ氏(オプショネティクス)
デポーレ氏
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