12月も、あと3週間を残すのみとなったが、年末に起きる現象を利用した投資方法を紹介しよう。考案者は、逆張りで有名なジョージ・パットナム氏だが、先ず、年末に起きる現象から説明しよう。
株で出した損は、税金で処分することが出来るが、そうするためには損の出ている株を今月中に売らなくてはいけない。同様に、ファンドマネージャーも、ポートフォリオの見栄えを良くするために、損の出ている株を年末に売る傾向がある。
ようするに、パットナム氏が目をつけているのは、今から年末の間に、税金処理やポートフォリオの調整で売られそうな銘柄だ。しかし、何故そんな下がると分かっている銘柄を注目するのだろうか?理由はこうだ。
考えて欲しいのは、どんな株が売りの対象になるかだ。あなたの口座に20の銘柄があるとしよう。税金で処分できるのは、損の出ている株だけに限られるから、とうぜん儲けの出ている株は対象にならない。それでは、売られるのは、一番損額の大きな株だろうか、それとも損が最も少ない銘柄だろうか。答えは、前者の損が最も多く出ている株が処分の対象になる。
損が最も大きい株は、既に株価がかなり下がっている傾向があり、上記のような理由で年末に売られると、とうぜん更に株価は下落する。しかし、同時に見逃せないのは、売りの結果、株価に割安感が生じるという事実だ。言うまでもなく、割安株を狙う投資家は多く、来年1月早々、年末に叩かれた株が買われる可能性がある。
それでは、パットナム氏が注目している、年末の10銘柄をあげよう。
・ArvinMeritor Inc. (ARM)
・Aviza Technology, Inc. (AVZA)
・Circuit City Stores Inc. (CC)
・Dillard's Inc. (DDS)
・La-Z-Boy Inc. (LZB)
・OfficeMax Inc. (OMX)
・On Assignment Inc. (ASGN)
・Spanish Broadcasting System Inc. (SBSA)
・Sun-Times Media Group Inc. (SVN)
・YRC Worldwide Inc. (YRCW)