Saturday December 8, 2007

US Market Recap

悩むトレーダー

最近トレードがうまく行かない、とブレット・スティンバーガー氏のもとに、相談に来る人たちが増えている。それも、トレードを始めてまだ6カ月といったルーキーではなく、数年以上の経験を持つベテラントレーダーたちだ。何故、こんなことが起きているのだろうか?スティンバーガー氏の話を聞いてみよう。

似た状況を設定してみよう。あなたは、いたって健康だった。いつもエネルギーに溢れ、滅多に疲れを感じることはなかった。しかし、今のあなたは違う。爽快感が全く無く、体がいつもだるい。どうしたら良いだろうか?言うまでもなく、そんな時は医者に診てもらうことだ。やる気を出させる言葉を何度も読んで、頑張ろうとする人もいるが、問題は全て心理的なものとは限らない。同様に、経験のあるトレーダーがスランプに陥るのも、心理的要素だけが原因になっているわけではない。

スティンバーガー氏は、ベテラントレーダーがリズムを崩す、三つの要因を指摘している。

1、好トレード機会の減少

あなたは、ある銘柄だけを専門にトレードしているとしよう。以前と比較してみて、一日の値幅に変化はないだろうか?三カ月前までは、一日平均で7ポイント動いていたのに、この頃は4ポイントに減っていないだろうか。このように、ボラティリティの変動は、トレード結果に大きな影響を及ぼす。

2、変化した値動き

短期的な値動きパターンと、出来高を併用したトレードがうまく行かなくなった、と言う人がいる。ようするに、今までに見られなかったパターンが顕著になっているのだが、これはオートマチック・トレードが原因になっていることが多い。人間の手を通さない、100%コンピュータによる売買が、新しいパターンを作り上げている。

3、マーケットの相互関係

以前から言われるように、先物指数に個別銘柄は左右されるだけでなく、新金融商品が増え、マーケットの相互関係がよりいっそう複雑になった。たとえば、ヘッジファンドは上場投信を空売ることが多くなり、そのためその投信に属する銘柄が、一斉に下げるといったことが起きている。

では、どう対処したら良いのだろうか?強調したいのは、さっさと諦めてトレードは全てロボットに任せろ、などとスティンバーガー氏は言っていない。先ず、自分と同様なスタイルのトレーダーの話を聞いてみること。彼らも、あなたのように最近不調なら、間違いなくマーケット自身が変化している。しかし、彼らが今日も好調なら、あなた自身に問題がある。

たとえマーケットが変わっている状態でも、あなたは100戦100敗ではないはずだ。必ず、利益が出ているトレードがあるはずだ。その、うまく行っているトレードを徹底的に研究してほしい、とスティンバーガー氏はアドバイスしている。間違いだけに目を向けるのではなく、あなたの強みに焦点を当ててみよう。

日本では、「精神科医が見た投資心理学」というタイトルで、スティンバーガー氏の本が販売されている。

1207stn.png

(参考にしたサイト: http://traderfeed.blogspot.com/2007/12/when-trading-performance-falls-off.html

Stocks You Need To Know About

S&P500指数

日足(金曜大引けまで30分)

1207spx.png

61.8%の値戻しレベルに邪魔され、三連勝が難しくなってきた。

 

Wall Street English

利下げ幅はどれくらい?

さて、来週火曜は連邦公開市場委員会だ。思ったより良かった雇用統計で、バリー・リットホルツ氏(リットホルツ・リサーチ)は、こう語っている。

The survey was weak enough to allow the Fed to cut, but the 50 basis point slash that so many have been begging for is now likely off the table.

雇用統計を見る限り、0.25ポイントの金利引下げは有りえるが、多くの人たちが期待している0.5ポイントは無理だろう。

1207bb.png

バーナンキ連銀議長

本マガジンは客観的情報の提供を目的としており、投資等の勧誘または推奨を目的としたものではありません。各種情報の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社は一切責任を負いかねます。

発行:株式会社ブレイクスキャン 監修:株式会社デイトレードネット