30年くらい前になるが、「ノストラダムスの大予言」、というベストセラーになった本があった。たしか、1999年7の月に人類が滅亡する、という解釈が載せられていたと思うが、嬉しいことにその予言は外れた。言うまでもなく、未来を予知することができれば、株だけに限らず、ビジネスの世界で成功することができる。しかし、そう簡単に将来を見通すことが出来るだろうか?
ここで紹介したいのがジョンさんだ。(写真)
脊髄性筋萎縮症という不治の病を抱え、車椅子の生活を余儀なくされているジョンさんは、こんなことを言う。「私のような病気を持つ人たちは、22年くらいの寿命しかありません。もちろん、見てのとおり、私はまだ生きています。神様からの祝福、それに毎日が忙しくて、まだ死ぬ時期が来ていません。とにかく、残りの人生を精一杯慈善家として生きていくつもりです。」
慈善活動も一種のビジネスだ。適切なビジネスプランを立てるには、ある程度正確に将来を見通す必要がある。と言っても、別にノストラダムスのような、大予言が要るわけではない。ジョンさんは、こう説明している。
私たちのする多くのことは、将来を見通すこと無しで、やることはできません。たとえば、会社勤めの人ですが、今年も給料を払って貰えるだろう、という見込み無しでは毎日通勤することなどできません。もし株をやる人なら、値上がりしそうだ、という予想なしで買うことはできません。
肝心なことは、どうやって正しい予想をするかです。ある投資家が、マイクロソフトを買って損をしました。そこで、今度はグーグルを買うことにしました。また、この投資家は損をするでしょうか?もちろん、二社は同じ会社ではありませんから、過去のマイクロソフトの投資結果を使って、グーグルの投資結果を予想することはできません。
多くの人は、過去こうだったから、将来はこうなるだろう、と間違った予想の仕方をしています。そうではなくて、大切なのは原因と結果です。マイクロソフトで失敗した原因は何だったのでしょうか?おそらく、アップルやソニーなどのライバルを無視したためではなかったでしょうか?
実例を挙げましょう。不動産のセールスをしている友人がいます。データによれば、物件を売るには、3、4カ月の時間がかかるのですが、友人は2カ月以内で売ってしまいます。何故でしょうか?彼は、最近売れた物件の全てを調査しています。いくらで売れたのか?何カ月かかったのか?何故その値段で売れたのか?とにかく、集められるデータを全て集めます。ですから、お客さんに適切なアドバイスができるのです。
3、4カ月かかるという調査結果なら、自分の物件が売れるには、それくらいの時間が要る、と結論してしまう。ようするに、過去がこうだから、将来もこうなる、という間違った予想方法だ。そうではなくて、原因/結果という形で見ると、ああいう売り方(原因)をしたから、3、4カ月かかった(結果)ということになる。ジョンさんの言っていることは、正しいと思う。しかし、それが出来るようになるには、かなりの経験をつむ必要があるような気がする。
(参考にしたサイト:http://www.onmoneymaking.com/how-to-build-a-crystal-ball-and-predict-the-future.html)