200万ドル、円に換算すれば約2億1680万円。これは、ウォール街のインベストメント・バンキング担当責任者の平均ボーナスだ。去年の額を10%ほど上回っているというから、サブプライムや信用収縮で苦しむ金融業界の話はウソだったのか、と思ってしまう。
さて、億単位のボーナスから、もっと現実的なUSA TODAYに掲載された記事へ移ろう。
デトロイトに在住するベッキー・カーさん(28才)は、米国経済の先行きに悲観的だ。理由は三つある。
・近所で増えている差し押さえになった住宅。
・値上がりの続くガソリンと灯油。
・不安定な雇用状況。
「知人の多くが失業してしまいました。なかなか仕事が見つからないので、南部の州へ行った人たちもいます。たくさんの住宅が売りに出されていますが、もう1年以上も経つのに全く売れません。こんな状態ですから、私は節約を心がけています」、とカーさんは言う。
アメリカは不景気に陥るのだろうか?全米企業エコノミスト協会(NABE)の調べによると、向こう12カ月以内に、米国が不況に襲われる確率は50%以上と答えたエコノミストは18%に当たり、8月の11%から大きく増えている。
なるほど。しかし、増えたとはいっても、数値はたったの18%だから、不況を予測しないエコノミストの方が圧倒的に多いわけだ。もちろん、不景気/好景気というのはあまりあてにならない言葉だ。ある程度景気が冷え込んでも、億単位でボーナスを貰っている人は、おそらく何も違いを感じないことだろう。逆に、世の中がどんなに好景気でも、職を失ってしまえば最悪な不景気だ。
ここで、ジャーナリストによって味付けされていない、掲示板の書き込みを見てみよう。
・不景気を予想するのは、ブッシュ大統領を嫌う民主党の関係者だ。過去2四半期を振り返ると、米国経済は4%の割合で成長している。低失業率、それにインフレの心配もない。アメリカの経済は健全だ。 OneCaGuy12347さん
・景気は単に循環しているだけだ。調子の良い時は、無謀なことをして、もっと金を儲けようとする。しかし、そんなことは長続きしない。大ヤケドをして、また元に戻るだけだ。 truckmanさん
・ニュースによれば、感謝祭の週末は、どこのショッピング・センターも混雑したというから、消費者は経済の心配などしていないと思う。 real_samさん
・住宅市場がこうなってしまったのは、サブプライム・ローンを利用して家を買った人たちの責任だ。本来なら、住宅を購入することなど不可能な人たちが、サブプライム・ローンのお陰で家を買うことができた。結果的には住宅価格が急騰し、一般庶民が手の届かないレベルまで上がってしまった。 steveno94さん
・これからは、信用の低い人たちが金を借りるのが難しくなる、と報道されているが、それが当然なことではないだろうか? Fun Bobbyさん
・サブプライム・ローンは、低所得者にマイホームの夢を一時的に与えた。そして、支払いが不可能になった今日、納税者に彼らの借金が回って来た。 whazupさん
(参考にしたサイト: http://biz.yahoo.com/rb/071121/wallstreet_bonuses.html?.v=3&.pf=career-work
http://www.usatoday.com/money/economy/2007-11-25-credit-crunch_N.htm)