佐藤新一郎氏(投資顧問)が、こんなことを書いておられた。「不思議なもので、300円の株が350円になったときはなかなか買えないものが、連日上昇し、900円になるとまだまだ上がるような気がして、非常に買いやすくなります。」大衆心理を、的確に言い表した言葉だと思う。
急騰する株は、マスコミにも取り上げられ、更に人気化が進んで行く。新聞、ラジオ、テレビしかなかった時代とは違い、今はインターネットがあるから、話題の銘柄を見つけるのも簡単になった。
「300円の株が350円になったときはなかなか買えない」、と同様に、安値更新銘柄も買いにくいものだ。安く買って高く売る、と一口で言っても、叩かれた株はいつ上がるかサッパリ見当がつかない。しかし、一桁台まで売られたアップル(AAPL)が、現在180ドル台で取引されているのを見ると、完全に売り叩かれた株を無視するのも勿体ない。
現在アメリカで、嫌われている株と言えば住宅建築銘柄だ。先月24日の報道によれば、9月の中古住宅販売件数は8%減になり、1999年以来最悪のレベルに落ち込んだ。いつになったら回復するのか、全くめどの付かない状態だが、ここでハリー・ドマッシュ氏(winninginvesting.com)の話を聞いてみよう。
毎日のように、下げ止まらない住宅価格、などといったニュースを聞いていたら、誰でも買う気がなくなってしまう。ようするに、消費者は住宅価格の下落にブレーキがかかり、安定の兆しが見えるのを待っているわけだ。
多くの住宅建築銘柄が半値以下になっている。今直ぐは無理としても、カムバックできるのは時間の問題だ。もちろん、全ての住宅株が生き残る保証は無い。大切なことは、条件の揃った成長を見込める株だけを買うことだ。
条件として、ドマッシュ氏は次の要素をあげている。
・負債資本比率は業界平均より低いこと。
・投資利益率は、過去5年平均で10%以上あること。
・アナリストの格付けは、平均で3以上あること。(5が強い買い、そして1が強い売り推奨。)
以上の条件が揃う銘柄は現在4つある。
(注:これらは投資アイデアであり買い推奨ではない。)
・Lennar Corp. (LEN) ・MDC Holdings Inc. (MDC) ・NVR Inc. (NVR) ・Toll Brothers Inc. (TOL)
ドマッシュ氏は、更にこんなことを指摘している。「Lennar Corp. (LEN)とMDC Holdings Inc. (MDC)は、下落の著しいカリフォルニア州で営業していることを考慮すると、現在投資対象になるのは、NVR Inc. (NVR)とToll Brothers Inc. (TOL)の二社だけだ。」
ドマッシュ氏
(参考にしたサイト:http://biz.yahoo.com/rb/071024/usa_economy.html?.v=4