これで、サブプライムは過去のものとなった、と一安心する投資者だが、もちろんまだ他にも不安要素はある。例を挙げれば原油だ。
金曜午前中の取引で、原油価格は瞬時92ドルを突破して、新高値が記録された。バリー・リットホルツ氏(リットホルツ・リサーチ)は、こう語っている。「たしかに原油は高値更新だが、インフレを考慮して計算すると、最高値は1980年4月の101ドル70セントになる。だからと言って、今日のレベルが安いわけではない。この52週間で、原油価格は47.3%の上昇、そして2001年から511%の上昇だ。」
なぜ原油価格は、こうも上がったのだろうか?別に天才でなくても原因は誰でも分かる、とリットホルツ氏は言うが、氏の指摘する五つの要因を見てみよう。
1、世界的な需要の増大
急成長を続ける中国だけでなく、インド、韓国、ロシア、ブラジル、そしてオーストラリアでの原油需要が増加している。
2、ドル安
主要経済国家通貨に対して、ドルは15年ぶりの安値を記録した。財務長官が、「強いドル政策」と言うたびに、ピノキオのように鼻が伸びたら、さぞ楽しいことだろう。
3、イラク、アフガニスタンでの戦争
言うまでもなく、戦争は中東情勢を極めて不安定な状態に陥れる。不安定=高リスクだから、中東からの原油には高い割増料金が要るわけだ。
4、制限された供給量
輸送に必要なタンカー、それにパイプライン、石油製油所が世界的に不足し、需要を十分に満たすことができない。
5、武力を誇示して、イランを威嚇するアメリカ
更に中東問題を悪化させるだけだから、とうぜん先物市場で原油が買われる材料になった。
(参考にしたサイト: http://money.cnn.com/2007/10/26/markets/markets_1215/index.htm?postversion=2007102612
http://bigpicture.typepad.com/comments/2007/10/crude-oil-above.html)