本が出版されてから、グリーンスパン氏(前連銀議長)は、テレビに出る機会がやたらと多くなった。議長の肩書きが消えた今日、結構ストレートに物を言ってくれるから、飽きずに最後まで話を聞くことができる。実例を挙げれば、ザ・デイリー・ショーの司会者に、グリーンスパンス氏はこんな回答をしている。
スチュアート(司会者): 本当に連銀は必要なのでしょうか?既に、先物短期金利市場、それに国債市場が存在しているのですから、なぜ連銀が金利を設定しなければいけないのでしょうか?
グリーンスパン: 金本位制度があれば、連銀のような中央銀行は要りません。しかし1930年代、経済活動を抑圧しているという理由で、世界的にこの制度が廃止され始めました。通貨の供給量を適切に保つためには、金本位制度のようなシステムが必要です。なぜなら、通貨の供給量はインフレに密接なつながりがあるからです。
スチュアート: ということは、今日の米国金融市場は、本当の意味で自由市場ではないわけですね?
グリーンスパン: その通りです。中央銀行が通貨の供給量を制限しているわけですから、これは真の自由市場ではありません。規制された市場です。
スチュアート: 連銀が金利を引き下げると、定期預金などの金利が下がりますが、株式市場に資金が流れます。
グリーンスパン: たしかにそうです。
スチュアート: ということは、連銀はウォール街の味方ということですか?
グリーンスパン: 結果的にはそう見えますが、私たちは株式市場を優先させて、金融政策を決定しているわけではありません。
スチュアート: しかし、一般庶民は一生懸命働いて預金しているのに、連銀は金利の引き下げですから、これは庶民のためになりません。ヘッジファンドは、まるでギャンブルのような取引をして膨大な資金を失い困ってしまった。さっそく、連銀は金利を引き下げて、ヘッジファンドの救済です。違いますか?
グリーンスパン: 私の本を読んでください。連銀の役目は、不安な要素に適切に対処して、経済活動を安定させることです。不安な状態では、個人消費が鈍ってしまいます。
スチュアート: それはこういう意味ですか?株式市場が好調なら個人消費は高まり、逆に株が不調なら個人消費が冷え込む、ということですか?
グリーンスパン: えー、そのー、もう一度説明すれば、、、
やはりそうだったのか、連銀はウォール街の味方だったのだ、と多くの人が再確認したことだろう。
グリーンスパン氏
(参考にしたサイト: http://dummyspots.com/2007/09/jon-stewart-and-alan-greenspan-best-interview-ever/)