先週だけで、約200億ドルの資金が、ミューチュアルファンドから流出した。世界的な株安を反映して、動揺した投資者は、資金を定期預金やマネーマーケット・ファンドへ避難させた。このタイミングが良いか悪いかは別として、最近6年間で、これほど解約者がミューチュアルファンドに殺到したことはない。
証券アナリスト、アマンダ・キッシュ氏は、こう語っている。「あの大惨事、ニューヨークがテロ攻撃を受けた時、ミューチュアルファンドの解約総額は160億ドルほどでした。先週の金額は、更にそれを上回り、投資者は完全にパニック状態です。」
だれの意見を聞くかで、とうぜん投資姿勢も変わってくる。そこで今日は、適切なアドバイスで定評のある、専門家たちの見方を紹介しよう。
マット・フェシバック氏(ヘッジファンド・マネージャー): 「相変わらずファンドによる売りが続いている。例を挙げれば、バークレーズ・グローバル・インベスターズのような、統計的裁定取引を専門にする会社だ。おそらく、売りは9月の終わり頃まで続くだろうから、買いを考えるのはそれからだ。」
ポール・デスモンド氏(テクニカル・アナリスト): 独特な方法で、売りと買い圧力を測定する氏は、こう警告する。「一時的なマーケットの上昇が来たら、それを持ち株処分に利用するべきだ。間違っても、新しい買いポジションを作ってはいけない。」
トム・マクレラン氏(テクニカル・アナリスト): 7月の中頃から8月の初週頃まで、弱気な見方をしていた氏だが、最近の株安で考えが一変している。マーケットは、単に売られ過ぎだけではなく、極端に売られ過ぎレベルに達した、と主張する氏は、こう語っている。「あと1回、2回と安値がテストされるかもしれません。しかし3カ月後、私たちは現在のレベルが底であったことに気がつくでしょう。」
ロバート・ドラシュ氏: 1月、2月、3月、底値拾いで有名な氏は、買いに消極的だった。正確に言えば、株には全く手を出していなかった。しかし、3月の底打ち確認で、氏は50%の資金を株に割り当てることを推奨し、世界的な株安の今日、100%の資金を株へ当てることを勧めている。ご存知のように、連銀は先週、公定歩合を引き下げた。ドラシュ氏は、「大々的な金利引下げ政策が始まろうとしています。株は素晴らしいラリーを展開するでしょう」、と述べている。
強気と弱気の両論を挙げたが、べつに皆さんを惑わすことが目的ではない。顕著なのは、同じマーケットを見ているのに、こうも意見に差が出る、という事実だ。それならば、専門家の意見など聞いても無駄だ、思われるかもしれないが、マット・フェシバック氏はこう付け加えている。「プロが語る、全体的な相場観を、そう気にする必要はない。重要なのは、どんなに悪い相場環境でも、買える銘柄が存在する、という事実だ。」
(参考にしたサイト: http://www.fool.com/investing/mutual-funds/2007/08/17/why-investors-are-wrong.aspx?source=mppromo
http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/SuperModels/5StrategiesForASinkingMarket.aspx?page=2)