怠惰な投資家になりなさい、とアドバイスされたら、皆さんはそれに素直に従うことができるだろうか?まだ少数派だが、アメリカには、レイジー・ポートフォリオを支持する人たちが増えている。先ず、背景を少し説明しよう。
デービッド・スウェンセンという、エール大学の資金を運用する、有名なファンド・マネージャーがいる。氏の話によれば、現在のアメリカには二種類のミューチュアルファンドがある。ファンド・マネージャーが積極的に資金を運用するファンド、そしてその逆に、ほとんどマネージャーが関与することの無いファンドだ。前者は、アクティブリー・マネージド・ファンド、そして後者は、レイジー・ポートフォリオという名前で呼ばれている。
比率で見ると、ミューチュアルファンドの92%はアクティブリー・マネージド・ファンドに属し、残りの8%がレイジー・ポートフォリオ型だ。問題は、「アクティブリー・マネージド・ファンドに投資してはいけません」、とスウェンセン氏が断言していることだ。ファンド・マネージャーが一生懸命やればやるほど、ファンドの成績は悪くなる傾向がある。それよりも、あらかじめ決定したポートフォリオに従って、機械的に投資するレイジー・ポートフォリオの方が優秀な成績だ。
それでは、レイジー・ポートフォリオを一つ紹介しよう。
株の季節性を研究したクリス・タイラー氏(オプショネティックス)によれば、私たちは、間違いなく季節性を利用することで、平均以上の利益を上げることができる。個別銘柄を買ってもよいが、これだと、アナリストによる格下げなどあったら大変なことになる。そこで、タイラー氏が勧めるのは、セクター・ファンドに投資することだ。
季節性には3つの段階がある。
第1段階: テクノロジー・セクター(半導体、インターネット、ソフトウェア、テレコミュニケーションなどの銘柄が含まれる)
利用するファンド
Fidelity Select Technology (FSPTX)
投資方法
11月、12月、1月の3カ月間だけ投資する。
第2段階: エネルギー・セクター(オイル関連銘柄が含まれる)
利用するファンド
Fidelity Select Energy (FSENX)
投資方法
2月、3月、4月、5月の4カ月間だけ投資する。
第3段階: 金属セクター(金鉱株)
利用するファンド
Fidelity Select Gold (FSAGX)
投資方法
9月だけ投資する。
表にするとこうなる。
月 | 利用するファンド |
1月 | テクノロジー |
2月 | エネルギー |
3月 | エネルギー |
4月 | エネルギー |
5月 | エネルギー |
6月 | 現金 |
7月 | 現金 |
8月 | 現金 |
9月 | 金属 |
10月 | 現金 |
11月 | テクノロジー |
12月 | テクノロジー |
1000ドルの資金で、1989年12月31日にこのやり方で投資を開始したとしよう。2007年3月30日の時点で、資金は6万9133ドルに膨れ上がっている。同期間、S&P500指数に投資したとすると、資金は4072ドルに増えただけだ。
(参考にしたサイト: http://www.optionetics.com/)