イワシの缶詰会社を、一代で築き上げたスミスさんは、いよいよ社長の座を息子に譲った。そして数カ月が過ぎ、今日も好調なビジネスを見ながら、息子はふと思った。「なぜ、こんなにイワシは売れるのだろう?さぞ美味しいに違いない。」さっそく工場へ行って、缶詰を一つ開けた。
ひどい味だ。不良品かもしれない。息子は、もう一缶開け味見をしたが、とても食べられるようなシロモノではない。
「お父さん、あんなにまずい缶詰が、どうしてこんなに売れるのでしょう?」
「なんだ、食べたのか、馬鹿だな!缶詰は食べる物じゃない。あれは、売買(トレード)して儲ける商品にすぎない。よく覚えておけ!」
株のトレーダーの間で有名な話だ。中身(ファンダメンタルズ)はどうでもいい。大切なのは値動きだ、と一般的に解釈されているようだ。
ということで、少しひねくれた、証券用語の定義を紹介しよう。
アナリスト: 言うまでもなく、ウォール街の高給取りチアリーダーだ。得意技は、割高な株を割安に見せること。
悪材料: 連銀を金利引下げに追い込む悪いニュース。その結果、株は上がる。
ベア: 株の上昇を理解できない孤独な存在。
ブル: 株投資の優等生。
証券マン: 単なる個人投資家を、ブルに変身させる専門家。
債券市場: ベアたちが、偏見を披露するために集まる場所。
現金: 旅行や豪華な物を買うために消費される、株で儲けた金のこと。
配当金: 株の好材料。
経済: 株とは無関係な世の中で起きる現象。
恐怖: 100%の資金が、株にあてられていないことを恐れるブルの心理状態。
連銀関係者: ブルの顔色を見ながら、金融政策を決める人たち。
ファンダメンタルズ: 株の上げ要因。
欲: ウォール街に必要な唯一の感情。
ヘッジファンド: 極端なレバレッジを利用して、最終的に株を上げることを目標にした投資グループ。
金利: 株の上げを説明するために、時おり使われる単語。
レバレッジ: 投資利益を上げるためにする借金のこと。
損: ベアの意見を鵜呑みして起きる投資結果。
ミューチュアルファンド: 100%の資金を、常に株式市場に入れておくためのブルたちの道具。
空売り: 「踏みあげ」現象を引き起こす、まずい投機方法。
投資戦略家: アナリストを参照。
(参考にしたサイト: http://bigpicture.typepad.com/comments/)