週が明け、株式市場は小さな反発を展開している。さっそくテレビでは、これは単なる一時的な戻しだろうか、とアナリストを招いて討論に忙しい。ウォールストリート・ジャーナルも、「ブルマーケットは終わった?」、と目を引くタイトルで、テレビに対抗している。
古い記事を見つけた。書いたのは、ニュース中毒と自称する、リットホルツ・リサーチのバリー・リットホルツ氏だ。要旨は、株投資にニュースは不要、というものなのだが、少し読んでみよう。
オイル高のニュースで、株式市場が下げることがあるが、もちろん、いつもそうなるとは限らない。同様に、テロニュースで株が売られることもあれば、テロニュースは無視されることもある。何故、そんなことが起きるのだろうか?
1、ニュースは過去の出来事だ。株投資は、過去にどう対処するかではなく、将来の見通しが重要になる。ニュースが、どんなに興味深いものでも、ほとんどの場合、ニュースは既に株価に織り込まれている。
更にニュースが悪いのは、適切な態度で、マーケットに臨めなくなってしまうことだ。悪い材料ばかりを読んでいると、本気でその銘柄を空売ってやろう、といった先入観を持つ原因になる。だから、経済新聞を読むなら、行きではなく帰りの電車の中だ。
2、ニュースのほとんどは、あなたの投資に、直接影響を与えることはない。歴史を振り返れば、真珠湾の攻撃、ケネディー大統領暗殺、最近では9月11日のニューヨーク・テロ事件。どれも大事件だ。マーケットは、たしかに一時的に揺れたが、結果的には事件以前のトレンドに戻っている。
3、ニュースは大衆を相手にするビジネスだから、どうしても、現在流行しているものが中心に報道される。覚えておいてほしいのは、マスコミが取り上げる時点では、人気が天井に達していることが多い。それに、広告収入が重要なニュース・ビジネスは、扇情的な話題が多いのも特徴だ。
(参考にしたサイト: http://bigpicture.typepad.com/
http://www.thestreet.com/_tscana/comment/barryritholtz/10228215.html)