先週木曜、ダウ指数は史上初めて14000ドル台で大引けをむかえた。新高値を祝う投資者の姿を、2000年以来の傲慢な態度、とビル・フレッケンスタイン氏は表現しているが、空売り専門の氏だから、別に驚く言葉ではない。もちろん、単に手放しで喜んでいたのでは、最終的にフレッケンスタイン氏のような売り手の餌食になってしまう。ということで、マーケットの心配材料を見てみよう。
1、企業収益
決算シーズンの真っ只中だが、先週のグーグル(GOOG)の結果には、さぞ驚いた人が多かったことだろう。予想を上回ることなど当たり前のグーグルが、予想未満の一株利益だったのだから、さっそく投資者はグーグルを投げた。
デービッド・スコット氏(チェイス・ファンド)は、こう語っている。「金融セクター、ヘルスケア・セクターの決算には、あまり期待することができません。それだけに、ハイテク銘柄の決算が重要です。大手ハイテク企業から、ガッカリな決算が続出する時は警戒です。」
2、個人消費
住宅市場の低迷にもかかわらず、今のところ個人消費に異常は無い。おそらく、低失業率が原因だろう。しかし、チャールズ・デュマス氏(ロンバード・ストリート・リサーチ)は、ガソリンの値上がりで、個人消費は下向きになると言う。更に、ピーター・シフ氏(ユーロ・パシフィック・キャピタル)は、クレジットカードの借金がかなり増えているから、ここから個人消費が大きく伸びるのは難しい、と述べている。
3、インフレ
スタンダード・アンド・プアーズ社の、サム・ストーバル氏によれば、現在1バレルあたり75ドルの原油は、80ドルを超える可能性がある。原油高は、とうぜん物価高の原因になり、対抗措置として、連銀が金利を引き上げることが考えられる。しかし、経済成長速度はおだやかな状態だから、金利引き上げは、米国経済を不景気に陥れる危険性がある。
4、サブプライム融資問題
長期金利の上昇で、変動利率住宅ローンの支払額が上がっている。そのため、月々の支払いが不能になって、差し押さえになる住宅が、これからも増えそうだ。また、サブプライム融資問題は、住宅市場だけなく、他のセクターにも広がり始めている、とビル・ラーキン氏(キャボット・マネー・マネージメント)は指摘しているから、この問題はしばらく消えそうにない。
5、楽観的すぎる投資者たち
大衆は、マーケットの天井で最も強気になる。同様に、マスコミも天井で、超強気論を徹底的に報道するものだ。大衆の浮かれ方を理解するには、マスコミのヘッドラインが大いに役立つ。
(参考にしたサイト: http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/ContrarianChronicles/Dow14000ImSkippingTheParty.aspx
http://biz.yahoo.com/bizwk/070720/jul2007pi20070719957191.html?.v=1)