決算シーズンが始まったばかりだが、Home Depot (HD)とSears Holdings (SHLD)は、さっそく収益の下方修正をした。小売セクターの大手2社からの発表だっただけに、投資者たちのこのセクターに対する信頼度は、更に下落する結果となった。同セクターの、他社の様子を少し見てみよう。
Best Buy(BBY): アナリストは、BBYの第1四半期利益は、予想以上に悪くなることを予測し、2007年度の収益を下方修正した。
Circuit City(CC): 人員削減をして会社建て直しを計っているが、なかなか順調に進まない。既に発表された、2008年度の収益予想を取り消している。
Starbucks(SBUX): 最高財務責任者は、アナリストが予想している2007年度の収益予想に達することは難しい、という見方を述べている。
Target(TGT): 6月の売上は、低めに予測された3%から5%の伸びになりそう。
Bed, Bath & Beyond(BBBY): 会社史上初めて、アナリストの予想を達成するのは困難、という発表をした。
パッとしない発表ばかりだが、なぜ小売セクターが下向きになったのだろうか?
先ず考えられるのが、低迷する住宅市場だ。不動産がブームだった頃は、積極的に住宅ローンの借り換えが行われ、消費者は簡単に多額な現金を手に入れることができた。しかし、金利上昇が悪影響となって住宅価格は下がり、借り換えが不可能になってしまった。それに、サブプライム融資問題で、月々の支払いができなくなる消費者が増え、住宅ローンに対して銀行は消極的だ。
住宅が資金源にならない今日、米国消費者は、どこから金を得ているのだろうか?答えはクレジットカードだ。現に、連銀の発表によれば、5月、リボルビング式の借金が、なんと9.8%も跳ね上がっている。
しかし、これだけクレジットカードの利用が増えているのに、小売セクターの見通しは冴えない。これは何を意味するのだろうか?おそらく、多くのクレジットカードが限度額まで使いきられてしまった可能性がある。となれば、マスターカード(MA)は既に高値をつけてしまった、とリットホルツ・リサーチの、バリー・リットホルツ氏は言う。
下はマスターカードの日足だ。(7月11日 大引け45分前)
(参考にしたサイト: http://bigpicture.typepad.com/comments/
http://bigpicture.typepad.com/comments/2007/07/hows-retail-doi.html)