決して画期的なアイデアではないが、こんなニュースがあった。大手小売、Wal-Mart (WMT)はオンラインショッピングを応用することで、売上が伸びた。なんだ、オンラインショッピングか、と言われるかもしれないが、Wal-Mart が実行したのは、完璧なオンラインショッピングではない。
オンラインで買い物をすると、品物は指定された場所に配達される。Wal-Mart が実行したのは、インターネット上で、お客さんが品物を注文するところまでだ。ようするに配達がないから、お客さんが直接Wal-Mart へ足を運んで、品物を受け取らなければならない。
Wal-Mart側によれば、お客さんが節約した配達料金は、既に500万ドルにのぼるという。更に、品物を取りに来たついでに、買い物をしていく人も増えたというから、Wal-Mart には嬉しいニュースだ。
さて、小売で話題になっているのは、テレビ、コンピュータ、それにアイロンなどの家電製品を扱うCircuit City (CC)だ。先ず、日足チャートから見てみよう。(7月10日、大引け1時間半前時点)
安値圏で横ばいが続いていたがブレイクダウン。これで、去年10月13日の高値(29ドル31セント)から半分戻したことになる。寄付き前、同セクターのHome Depot、Lexmark、それにSearsが収益の下方修正を発表し、Circuit City (CC)に悪影響となったようだ。ここまで安くなると、そろそろ買いを考える人もいるかもしれない。少し調べたら、Circuit City に関する、こんな記事が出てきた。
ビジネスをする上で、顧客をいかに維持するかは、経営者にとって重要な問題だ。新製品を、消費者に買ってもらうことが難しいのと同様に、顧客を維持し続けることも楽ではない。それなのに、なぜCircuit City は、この大切な要素を無視するのだろうか。どう考えても、Circuit Cityのしていることは、お客さんに競争相手の店に行くことを勧めているようなものだ。
人件費を節約するために、Home Depot (HD)がセールスマンを、既に退職した人たちと入れ換えたことがあった。製品知識の豊富なフルタイムのセールスマンを解雇して、安い時給で、引退者を採用したわけだ。とうぜん会社側の出費は減ったが、客は競争相手のLowe's(LOW)へ行ってしまった。言うもでもなく、知識の乏しいセールスマンに、客はウンザリしてしまった。
こんな前例があるのに、Circuit Cityはセールスマンの給料を削る、という愚策を実行した。ただでさえ、高いと言えない給料だったから、有能なセールスマンは会社を去り、残ったのは製品知識に欠けるセールスマンだ。
チャートを一目見れば、Circuit Cityが買いでないことは簡単に分かるが、ファンダメンタル的なことを少し付け足しておこう。最近の四半期を振り返ってみると、Circuit Cityのテレビ売上数は、二桁のパーセンテージで減少している。ノートブック型のコンピュータの売上は、二桁のパーセンテージの伸び、しかしデスクトップ型は去年とほぼ同じだ。また、マージンは1年前の24.5%から22.5%に下落している。コンサルタントのクレッグ・ジョンソン氏は、こう語っている。「Circuit Cityには、Best Buyのようなアフターサービスがありませんから、顧客を維持するのが難しい状況です。それに、Wal-Martと価格競争するような力もありませんから、暗い先行きです。」
(参考にしたサイト: http://www.thestreet.com/newsanalysis/dailymarket/10363702.html