夏休み、本格的な旅行シーズンだ。旅行といえば飛行機だが、アメリカでは、航空会社に対して苦情を訴える人が増えている。3月の統計を見ると、1000人中8人の旅客が、手荷物の紛失や破損に関する苦情を訴え、この数は去年、1000人中6人弱だった。
更に、定刻どおりに飛び立つ便数も減っている。航空業界では、15分までの遅れなら時間どおり、と定められているが、2002年、定刻どおりに運行された便数は82%だった。2006年は75%、そして今年最初の3カ月間は71%だ。
その他にも、いつも満員のフライト。テロ規制で警備が厳しくなり、チェックインに余分な時間がかかる、といったこともあるから、ますます空の旅は嫌われている。
原油価格の値上がりで、航空券が高くなった、と不平を言う人たちが多いが、こんなデータがある。
(Myvacationpassport.comより)
上は、1982年と今年2007年の、アメリカ国内航空券料金を比較したものだが、先ず、見方から説明しよう。
どれも、ロサンゼルス発の往復航空券になり、一番左は目的地を表す。下から二番目の、ロサンゼルス/ニューヨーク間の例で見てみよう。
New Yorkの直ぐ右の数字、278は278ドルを示し、1982年に最も安かった、ロサンゼルス/ニューヨークの往復航空券料金だ。そして、この278ドルを、今日の金額に換算したのが真ん中の数字592ドルだ。一番右の278ドルは、今年最も安い、ロサンゼルス/ニューヨークの往復航空券の金額になる。一番安い航空券を比較する限り、安い航空券は、更に割安になったわけだ。
それでは、一番安い航空券ではなく、航空券の平均価格ならどうだろうか?交通局の調べによれば、1995年、米国内線の平均航空券価格は359ドルだった。インフレを考慮して、この金額を今日の金額に直すと484ドルになる。そして、去年の平均価格は380ドルだから、決して高くなったとは言えない。しかし、割安な航空券でも、手荷物紛失、おまけに大幅に定刻を遅れての到着なら、かなり割高に感じられることだろう。
(参考にしたサイト: http://travel.latimes.com/articles/la-trw-angryhamm27may27?single_page=y