とうとう、国債10年物利回りが5%を超え、株の売り材料になった。いよいよ、下げ相場が始まるのだろうか?ファンドマネージャーの、マイケル・チャーチ氏は、こう述べている。「歴史的に見れば、5%は低レベルです。5%突破は投資心理に影響を与えますが、これだけでは、株式市場から完全撤退する理由になりません。」
5.099%で、木曜の取引を終了した国債だが、はたしてどこまで上昇するのだろうか。債券投資アドバイザー、トニー・クレシェンジ氏の話を聞いてみよう。
10年物利回りが、5.25%以上になっても不思議ではない。ご存知のように、現在の短期金利は5.25%だ。言い換えれば、短期金利が長期金利を上回っている。こんな現象は、そう滅多に起きるものではない。過去18年間を振り返ってみると、10年債利回りが、短期金利を下回ったのは3度しかない。
この3度に共通しているのは、金利引下げが、6カ月以内に起きていることだ。今年中の金利引下げが、ほぼ絶望的になった今日、国債利回りが短期金利以下である必要がなくなった。これが国債売りを呼び、利回りが急騰している大きな原因だ。
国債利回りの上昇は、住宅ローンの金利を押し上げる結果になっている。ただでさえ低迷する米国住宅市場、これで、ますます回復が遅れそうだ。水曜に発表された、全米不動産業協会(NAR)のレポートを見てみよう。
・年間通算で、629万件が見込まれていた中古住宅販売件数は、618万件に下方修正されている。
・先月のレポートでは、中古住宅中間価格の1%減が予想されていたが、今回のレポートでは、マイナス1.3%に修正されている。
・新築住宅の中間価格は2.3%ほど下がりそう。(先月の発表では、去年と同レベル、という見方だった。)
・新築住宅販売件数は、年間通算で、86万件が期待できる。(先月のレポートでは、86万4000件が予想されていた。)
さて、マーケットが終了した。ダウ指数はマイナス1.48%、これで3連敗だ。30銘柄で構成されるダウ指数だが、プラスで引けた銘柄は一つも無い。正に完敗だ。シャークの異名を持つ、ジェームズ・デポーレ氏の言葉を記しておこう。
「こんなにひどいマーケットを見るのは久しぶりだ。これからは、少しでも株価が上昇するなら、投資者たちは持ち株を処分することだろう。」
(参考にしたサイト: http://www.thestreet.com/markets/marketstory/10361145.html
http://biz.yahoo.com/rb/070606/usa_subprime_realtors.html?.v=1&.pf=real-estate
http://biz.yahoo.com/ap/070607/wall_street.html?.v=40)