株は羊のようなものだ、というハリー・ドマッシュ氏の話を先日した。要点は、羊が北へ行くには、群れ全体が北に向かっている必要があるように、個別銘柄も強いセクターから選んだ方が上がりやすい、というものだ。そこで今日は、このコンセプトを応用したファンドを紹介しよう。
ホットなセクターを常に狙う、PowerShares Value Line Industry Rotation (PYH)、そしてClaymore/Zachs Sector Rotation (XRO)という二つの上場投信がある。両者ともアメリカン証券取引所に上場され、株と同様に売買することができる。今年ここまでの成績は、PowerSharesが+8.9%、Claymoreは+9.9%だから、マーケット(S&P 500指数)の+7.5%を上回っている。
1990年代、テクノロジー銘柄とヘルスケア銘柄の人気で分かるように、いったんセクターの上昇トレンドが確定してしまうと、そう簡単にトレンドは崩れないものだ。最近の例では、不動産、エネルギー関連、公共株などがある。
いったい、セクター・ローテーション・ファンドは、どのようなタイミングで、ホットなセクターの株を買うのだろうか?もちろん、それは企業秘密だから分からない。そこで、公表されている資料を見てみた。
Claymore/Zachs Sector Rotation (XRO):
セクター別投資状況: 金融サービス業 37.8%、小売 21%、医療 20.7%、鉱工業製品 6.3%、オイル/エネルギー 4.5%
平均時価総額: 317億8000万ドル
保有銘柄数: 100
PowerShares Value Line Industry Rotation (PYH):
セクター別投資状況: 消費者関連 29.9%、景気敏感株 16.6%、インフォメーション・テクノロジー 13.8%、金属 11.7%、
鉱工業製品 8.5%
平均時価総額: 226億2000万ドル
保有銘柄数: 75
共通なセクターもあるが、明らかに、両ファンドの「ホットなセクター」の定義は違っている。まだベアマーケットを経験していない両ファンドだが、はたして下げ相場では、どんな成績を上げることができるのだろうか?
(参考にしたサイト: http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/MutualFunds/StrivingToStayWithTheSizzle.aspx)