Tuesday May 15, 2007

US Market Recap

間違っている投資判断

行動経済学、という言葉が頻繁に聞かれるようになった。心理学と経済学をミックスさせて、経済活動を探る学問のようだ。といっても、決して堅苦しく考える必要はない。さっそく、行動経済学が教えてくれる身近な例を紹介しよう。

投資で失敗を防ぐには、どんなことに気をつけたら良いだろうか?正しい投資判断をするには、先ず、情報の分析をしなければいけない。特に、情報の量が多くなれば多くなるほど、私たちは簡単なルールを適用して、投資判断をしようとする。大きな問題になるのが、この判断方法だ。

たとえ、どんなに情報があっても、実際に投資結果がどうなるかを、100%正確に予測することはできない。そこで私たちは、過去の記録を調べる。ようするに、以前こうだったから、今度もこうなるはずだ、という結論を引き出すのが目的だ。これは、外挿法とか補外法と呼ばれるものだが、言うまでもなく、過去の出来事が明日も繰り返されるという保証は無い。

良い例は、90年代終わりの、インターネット株ブームだ。連日の値上がりを見て、投資者たちは、インターネット銘柄に殺到した。ここまでこんなに好調なのだから、今日も上がるだろう、そして明日も上がるだろう、という単純な判断方法だ。不動産ブームにも、同様なことが言える。こんなに順調に上げているのだから、これからもこの状態が継続するはずだ、と判断して、投資家たちは物件を買い続けた。もちろん、最終的にはインターネット株も住宅市場も大幅下落だ。必要以上に、過去の成績を重要視してはいけない。

スウェーデンで、こんな調査がされた。あなたは、自分の運転技術をどう思いますか、と人々に質問した結果、90%の人たちは自分の運転技術は平均以上である、と回答した。これが意味することは、単に車の運転能力だけに限らず、私たちはほとんどの場合、自分は平均以上である、と思っていることだ。

多くの投資者は、自分の持っている情報を過剰評価している。ある銘柄の買い情報をつかむと、それを知っているのはあたかも自分だけのような錯覚に陥り、とうぜんの結果として、投資者は自信満々になる。この自信過剰が、頻繁なトレードに結びつくことになるのだが、こんなデータがある。

6万6000世帯を調べた結果、毎月8.8%を超える銘柄回転率のあるトレードが頻繁な人たちは、年平均で11.4%の利益があった。しかし、頻繁なトレードをしない人たちの利益は18.5%だから、手数料がいかに大きく成績に影響したかが分かる。

行動経済学が教えてくれるもう一つのことは、多くの投資者は、売る銘柄を間違っていることだ。口座に、二つの株があるとしよう。一つは1000ドルの利益があり、もう一つは800ドルの損が出ている。本当なら、損の出ている株を処分して、利益の出ている株を持ち続けることが正しいのだが、ほとんどの場合、投資者は儲けの出ている方を売って、損の出ている方を口座に残す。損を出して株を売るのは、負けを認めることだから嫌だ、ということらしいが、早い損切りほど重要なものはない。

参考にしたサイト: http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/Morningstar/3InvestmentUrgesToAvoid.aspx?page=2

Stocks You Need To Know About

国債に連動するTLT

日足

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明日に消費者物価指数の発表を控えて、国債が売られた。アナリストは+0.5%を予想しているが、もしこれを大幅に上回るようなら、TLTはギャップを割る可能性がある。さて、どんな結果になるだろうか。

 

Wall Street English

あまりにも低い売却額

話題は、なんと言ってもダイムラーのクライスラー売却だ。買い手は、プライベート・エクイティ会社のCerberus。買収価格は74億ドルだが、さっそく、こんなヘッドラインが出ている。

Chrysler's Price: Embarrassingly low 

Embarrassingly low は、あきれるほど安い、という意味だから、クライスラーは叩き売られたようだ。

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