CNNマネーの相談コーナーに、テネシー州に在住するマイクさんから、こんな質問が寄せられていた。「今、ミューチュアルファンドに投資することは正しいことでしょうか?株は、安く買って高く売るものだ、という言葉を何度も聞かされてきた私ですから、一旦マーケットの下げが来るのを待った方が良いでしょうか?」
皆さんなら、この質問にどう回答するだろうか?連日のように、ダウ指数は高値を更新中だから、たしかにマイクさんの言うように、この高値圏で資金をミューチュアルファンドへ入れることに躊躇してしまう。しかし、もう一つ付け加えると、マイクさんは既に1年以上10万ドルの資金を現金で持っているという。回答を見てみよう。
「マイクさんの実例は、心理的要素がいかに投資へ大きな影響を与えるかを表しています。たしかに、マーケットは1年前も高値を更新していましたから、当然こんな高値では買えない、という結論に達します。買わないことは、マーケットの下げから投資資金を守ることになり、もし本当に下げれば、安いところでの投資が可能になります。
しかし今日、マーケットは相変わらず上げが続いています。もし1年前、S&P500指数の動きに結びついたインデックスファンドに投資していれば、10万ドルの資金には約15%の利益が出ています。言い換えれば、銀行口座の利子を、ほぼ3倍上回る儲けを手に入れることができたわけです。
おそらくマイクさんは、一年前に投資しなかったことを後悔していることでしょう。だからといって、今日の高値圏で投資する気にもなれません。こんな場合、投資者はどうするべきでしょうか?
先ず、マーケットについて、あれこれと考えすぎることをやめるべきです。こんな高値圏では買えない。下がったところで買ってやろう、という考え方は間違っています。私たちには、いつもパーフェクトなタイミングで投資することなどできません。マーケットの上昇が続きすぎると、たしかに下げの予想をするのが普通です。しかし、高値圏という理由だけで、マーケットは直ぐに下げるものではありません。
それでは今日投資して、いきなり下げに襲われても、損害を少なくするにはどうしたらよいでしょうか?資金の分散が鍵です。株、国債、社債などに資金を分散することが大切ですが、株というカテゴリーの中でも分散することができます。例を挙げれば、大型株、小型株、アメリカ株、外国株などです。国債や社債も、一年物などの短期投資と、10年物のような長期投資に資金を分けることができます。
また、資金を分散する場合、株と国債の比率を調整することも大切です。口座内の株の比重が高ければ高いほど、マーケットからの影響が大きくなります。ですから、下げを低くおさえたい場合は、短期債券と現金の比率を増やすことです。だからといって、あまりにも株を減らして短期債券の量を増やしすぎると、肝心の利益も減りますから要注意です。」
更に回答には、401K(確定拠出型年金、企業年金制度)などを利用して定期的に投資すること。2年以内に必要な資金は、株に投資しないことなどが含まれている。
参考にしたサイト: http://money.cnn.com/2007/05/07/pf/funds/expert.moneymag/index.htm?postversion=2007050711