おそらく人気アナリストによる買い推奨だろう、と思いながら調べていると、ヤフーに買い手が殺到したのは買収の噂だった。正確に言えば、先月インターネット広告会社のダブルクリックがグーグル(GOOG)に買収され、これでマイクロソフトが本格的にヤフー獲得に向けて動き出す、というニューヨークポストの記事だ。
どんなに叩かれている株でも、今日のヤフーのように、買収の噂は強力な買い材料になる。逆に、経営難の噂なら売り手が殺到することになる。両者に共通していることは、噂は人々を興奮させ、感情的な取引に走らせる。現に、ヤフーの寄付きは33ドル27セントだったが、大引けまであと30分の今、株価は31ドル30セントで取引されている。
噂に左右されて買ってしまう人たちは、別に頭が悪いからではない。ローラ・ローリー氏(Money & Happiness「お金と幸せ」の著者)が、なぜ賢い人たちが、つまらないお金の過ちを犯すかについて書いているので、少し見てみよう。
頭の良い人が中々財産を築くことができず、何の変哲も無い普通の人がミリオネアになってしまう。なぜ、彼らは富を手に入れることができたのだろうか?彼らに共通する、いくつかの点を挙げよう。
1、自分で自分のルールを作る:
多くのミリオネアは、学校の成績が悪かった。ようするに、彼らは学校という窮屈なルールにうまく適応することができなかったが、自分で自分のルールを作ってそれに従う、という独創性を持っていた。
2、倒れても必ず起き上がる:
勝ち目が無い、と分かっていても何度も挑戦し続ける闘志。
3、協力者を得ること:
自分の弱点を知り、それを補ってくれる人たちを味方につけること。
4、ある程度の危険を冒して大きな結果を手に入れる。
それでは、頭の良い人が、なぜ失敗するのだろうか?好例は、作家のマーク・トウェインだ。当時、中流階級の年間収入は1200ドルほどだったが、トウェインは「ハックルベリー・フィンの冒険」で10万ドルの金を手に入れた。しかし、トウェインの投資下手は定評がある。
何冊ものベストセラーを書き上げたトウェインは、おそらく頭の良い人だろう。しかし、頭の良い人たちは一般の人たちが見落としている大切なことを発見できる、と思い込んでいる。だから、どう見てもつまらないものに平気で投資してしまうわけだ。もちろん、上記の4点を守れないのも大きな失敗原因になる。