小売業者は、どんな手段を使って、私たちに必要の無い物まで買わせるのだろうか?少し表現が悪かったかもしれないが、良い例はスーパーマーケットだ。ビールだけを買うつもりが、結局せんべい、コロッケ、刺身、野菜、ということになってしまう。どうしてだろうか?さっそく原因を探ってみよう。
1、ショッピングカート:
ほとんどの客は、1つか2つの物を買うことしか考えていない。だから、店の入り口にショッピングカートが置かれているわけだ。もちろん、ショッピングカートのサイズも、必要以上に大きく作られているのは偶然ではない。
2、目玉商品を店の奥に置く:
広告の安売り商品は、入り口から一番遠い所にあるものだ。そこにたどり着くまでには、嫌でも様々な商品を通過しなけらばならないから、どうしても要らない物に手が伸びてしまう。
3、オモチャを店の入り口から遠い所へ置く:
子どもをつれてオモチャを買いに行く。ボールを買うのが目的だが、ほとんどの場合、オモチャ売場は店の一番奥か最上階だ。そこへ行き着く前に、親たちは要らない物を買うことになるだろう。
4、衝動買いをしたくなるような物をレジの近くに置く:
好例はDVD版映画や雑誌だ。
5、値段の高い品物を目の高さと同じ位置に置く:
高いというのは、高級品という意味ではない。たとえば洗剤。安い洗剤は棚の一番上か下に置き、高い洗剤を大人の目の高さと同じ位置に置く。
6、安売り商品でない商品を、さも安売りのように売る:
高い品物を店内に積み上げて、大きな文字で値段を表示する。全く割引されていないのだが、さも安売りのような雰囲気がある。
7、多数の類似製品で囲む:
靴下だけが目的でも、そのまわりにパジャマ、Tシャツなどを豊富に揃えて、類似品に手を伸ばさせる。
8、高いもの、安いものを交互に置く:
高いポテトチップはここ、安いポテトチップはここ、といった配置をしないで、品物を交互に置く。そうしないと、客は安いセクションだけに殺到してしまう。
9、客の立ち止まる回数を増やす:
客が店の中で立ち止まる回数が多いほど、品物を手に取る回数も増える。通路の幅が、カートの2台分しかないのはそのためだ。
10、よく売れる日用雑貨を通路の真ん中へ置く:
こうすることで、行きと帰りに品物を二度見ることになる。
11、簡単に比べられないように値段を付ける:
100グラム5ドルと200グラム5ドルなら、とうぜん200ドル5ドルの方が得だ。こんなことが起きないように、値段は100グラム5ドル99セント、200グラム10ドル89セント、といった形にする。
12、見せかけを利用する:
バケツのような容器に乱暴に入れられているからといって、その商品は安売りとは限らない。
13、高い品物に一流品のイメージを持たせる:
ある程度高い物は、特別なショーウィンドウで展示して、消費者のブランド指向を利用する。
14、最も利益幅の多い商品を店の入り口に置く:
アメリカのデパートの場合、最も利益が上がる化粧品売場が、店の入り口付近にある。儲かる商品を、店の一番人通りの多い場所に置くことで、更に売上が向上する。
15、トイレを店の奥に配置する: 言うまでもなく、行き着くまでに様々な商品を見せることが目的だ。