このサイクルを株投資に応用する方法を、リッチ・デュプレイ氏(フール・ドット・コム )が説明しているので、さっそく見てみよう。
製品を作り小売業者へ渡す。実際に品物が売れた段階で、初めて製品が現金化されたことになる。このように、いかに早く製品が現金化されるかを指標化したものがキャッシュ・コンバージョン・サイクル(cash conversion cycle)であり、この数値は小さければ小さいほど、企業は少ない運転資金でビジネスを展開することができる。
キャッシュ・コンバージョン・サイクルには3つの要素がある。
1、在庫停留期間 Days Inventory Outstanding (DIO)
品物が、在庫として店に長く残っていたのでは、企業や投資者には全く利益にならない。言うまでもなく、企業は直ぐに製品が売れることを望んでいるわけだから、DIOの数値は小さいほど良い。
2、売上金が回収されるまでの日数 Days Sales Outstanding (DSO)
製品が、どんなにすばらしいスピードで売れても、小売業者から売上金がいつまでたっても送られてこないのでは話にならない。上のDIOと同様に、DSOの数値も小さいことが望ましい。
3、買掛金を実際に払うまでの日数 Days Payable Outstanding (DPO)
企業は製品が早く売れ、売上代金も直ぐ手元の入ることを望んでいるが、買掛金の支払いを急ぐ必要はない。そうすることで、企業の保有する現金が増え、利子稼ぎをすることもできるから、DPOの数値は大きい方が良い。
デュプレイ氏は、上記3項目を満たす企業として5社を挙げている。
1、Amazon.com (AMZN) 2、Audible (ADBL) 3、Blue Nile (NILE) 4、Palm(PALM) 5、Select Comfort (SCSS)
(注:これら5社は運転資金という観点から選ばれたものであり、ファンダメンタル全てが良好なわけではない。)
参考にしたサイト: http://www.fool.com/investing/small-cap/2007/04/30/5-more-stocks-for-fast-cash.aspx