今日のマーケットを動かしているのは、投資信託、年金基金、それにヘッジファンドなどの機関投資家だ。いったい、ファンドマネージャー達はどのように株の売買判断をするのだろうか?さっそく、ハリー・ドマッシュ氏 (WinningInvesting.com)の話を聞いてみよう。
大量に株を保有するミューチュアルファンドは、一日や二日で、全ての持ち株を処分することができない。場合によっては、数週間に及ぶ時間が必要になる。私たち個人投資家は、ファンドマネージャーの考え方を理解することで、彼らよりも一歩先に行動することが可能になる。
毎年、大手証券メリルリンチは、約200人のファンドマネージャーたちからアンケートを取っている。各ファンドマネージャーに質問されることは、「株売買を判断する上で、最も重要な要素は何ですか?」というものだ。一番多かった回答を見てみよう。
アーニングサプライズ: 収益成長率を予想するのに役立つのがアーニングサプライズだ。発表された一株利益が予想以上ならポジティブ・サプライズ、そして予想以下ならネガティブ・サプライズと呼ばれる。好決算を発表した企業の株に買いが集まることで分かるように、アーニングサプライズは株価にモメンタム(弾み、勢い)を付ける。そこで、ファンドマネージャーは強い収益成長を継続することが可能な企業を中心に買う。
ファンドマネージャーたちは、「アーニングサプライズはゴキブリのようなものだ」と言う。もし台所に一匹のゴキブリを発見すれば、おそらく、まだ数百匹どこかに隠れていることだろう。アーニングサプライズもそれと同じだ。ポジティブ・サプライズやネガティブ・サプライズが一回だけで終わることはない。一回良い発表をすれば、それが長く継続する確率が高い。
一般的に、ポジティブ・サプライズの場合、予想された一株利益を2セント以上超えると株価に好影響になり、ネガティブ・サプライズの場合は、たった1セント下回っただけでも大きく売られる。
アーニングサプライズを調べるには、ヤフー・ファイナンスが役に立つ。マイクロソフト(MSFT)で見てみよう。Get Analyst Estimates forの右にMSFTと入れて、GOをクリックする。少し下へ行くとEarnings Historyがある。注目はSurprise %だ。2006年3月の決算は、マイナス3%のネガティブ・サプライズ。しかし、2006年の6月決算からポジティブ・サプライズが続いている。これが、「アーニングサプライズはゴキブリのようなものだ」、と言われる原因だ。
もう一つ、割高な株をつかまないために、PEGレシオも利用しよう。これも、ヤフーファイナンスで見ることができる。載っているのは、一番下(PEG Ratio (avg. for comparison categories) )だ。2を超えると割高になり、マイクロソフトはまだ1.43だから、株価は過熱状態ではない。
(参考にしたサイト: http://www.winninginvesting.com/)