米国の一部の地域では、2000年から2005年の間に、住宅価格が倍以上になった。問題なのは、2004年から2005年までの上昇は、本来なら住宅ローンが不可能な人たちが、多数住宅市場へ参入し、住宅市場が超投機化したことだ。最初から無理なローンだから、とうぜん月々の支払いが苦しくなり、差し押さえになる物件が急増している。
こんな状態だから、あと1年ほど住宅市場の低迷は続くことだろう。個人消費も落ち込み、経済も減速することになるが、これで連銀は短期金利を引き上げる必要がなくなった。これは株に好材料だ。
外に目を向けると、中国やインドの例で分かるように、世界経済はここ30年間で、最も力強い成長を見せている。この世界経済の発展で、大きな利益を上げているのが投資金融業者(インベストメント・バンカー)だ。業界リーダーはゴールドマン・サックス(GS)、そしてモルガン・スタンレー(MS)とメリル・リンチ(MER)の収益が好転している。
さて、ヒーブナー氏の指摘する中国が、また経済ニュースのヘッドラインになった。APの報道によれば、第1四半期、中国経済は年間ベースで11%の伸びを記録し、インフレ率もここ2年間で最高の水準に達した。「急ピッチな成長は、経済の過熱を引き起こす心配がある」、という政府関係者のコメントは、近いうちに金利引き上げがある、と各国のマーケット関係者は解釈したようだ。
おだやかな成長は有益だが、悪性のインフレに襲われたのでは話にならない。こんな状態でも、まだ中国は魅力のある投資先だろうか?ストリート・ドット・コムのビデオで、ジム・クレーマー氏はこう語っている。
中国の速すぎる経済成長は、今日始まったことではない。更に、中国政府は効果的に経済速度を抑制することはできないだろう。とにかく今は、上がりすぎた中国関連株が、完全に下げきるのを待つ時だ。下げが一段落したら、BHP Billiton (BHP)、Lundin (LMC)、Freeport McMoRan (FCX)、Peabody (BTU)、Arch Coal (ACI)などのエネルギー、資源関連株が狙える。
中国以外に、クレーマー氏はこんなことを付け加えている。「手数料の割引は、Eトレード(ETFC)やアメリトレード(AMTD)に何の好影響も与えなかった。これで、2月のマーケット急落が、いかに大きなダメージを個人投資者たちに与えたが分かる。」
(参考にしたサイト: http://www.kiplinger.com/magazine/archives/2007/05/heebner.html?kipad_id=6
http://www.usatoday.com/money/world/2007-04-19-china-economy_N.htm