サブプライム融資問題は、更に米国住宅市場を悪化させる原因になり、不動産投資は完全に冷え切っている。「単に下落する住宅価格に怯えるのではなく、賢明な投資家なら現状を正しく把握して、逆にこの悪い状態を利用することを考えるべきだ」、と「金持ち父さん、貧乏父さん」の著者、ロバート・キヨサキ氏は言う。氏の意見を聞いてみよう。
なぜサブプライム融資は、ここまで深刻になったのだろうか?
1、2001年初め、株式市場をベアマーケットから救うために、連銀は短期金利を結果的に1%まで下げた。しかし、この低金利政策は株式市場を直ぐに回復させることはなく、恩恵を受けたのは住宅市場だった。
2、株式市場が低迷していても、年金ファンド・マネージャーたちは有利な投資を見つけて、利益を上げなくてはならない。ここで注目されたのが、不動産ブームだ。年金ファンド・マネージャーは、資金をヘッジファンド、プライベート・エクイティ・ファンド、そして住宅ローン会社へ貸して投資成績を向上させる道を選んだ。
3、米国債券が、中国などの海外投資家によって積極的に買われた。こうして得た金で、アメリカは海外から品物を買い、イラク戦争の資金に割り当てることができた。言い換えれば、米国市民が今日のライフスタイルを維持できるのは、海外からの膨大な投資資金のお陰だ。
4、以上が主な原因となって、アメリカには5種類の愚かな投資家が誕生した。
5種類を説明しよう。
1、初めての住宅購入者: 典型的なのは新婚夫婦だ。低金利、それに簡単な審査で借りることができたから、ローンは住宅代だけでなく、家具などの資金も含まれている。もともと割高な住宅を、悪い地域で購入だから、住宅価格は下落するしかない。
2、住宅をキャッシュ・マシーンとカン違いしている人たち: クレジットカードの借金が払えなくなるたびに、住宅ローンの借り換えをして、必要な現金を手に入れる。短期的な借金を、長期的借金にする馬鹿らしいやり方だ。
3、別荘の購入: 自宅を担保にして、別荘投資に踏み切る。そのため、月々の支払いは二つになっただけでなく、物件は必ず上がるという安易な考えの間違いに気がつくことになる。
4、あまりにも高価な買い物: 大きく値上がった住宅を売り払って、高級住宅を購入する。最初から無理な買い物だから、現在の生活水準を維持することができない。
5、住宅を短期投資とカン違い: 買えば必ず儲かる、と信じきり、まだ建築中の住宅に投資する。住宅市場の冷えこみで建築は遅れ、けっきょく大きな損を出して物件を手放す。
株は暴落することがあるからといって、悪い投資だ、と結論することはできない。同様に、愚かな投資家が損を出したからといって、不動産はダメな投資だ、と言うことはできない。とにかく今は、割安な物件を買うために、現金を蓄えることに専念したい。
(注: 上記の情報は、http://finance.yahoo.com/expert/article/richricher/29458から得ています。)