アナリストは本当に役立つのだろうか、とまた盛んに議論されるようになった。事の発端は、と言ってもこれだけではないが、証券業界から追放になった90年代の人気アナリスト、ヘンリー・ブロジェット氏のこのコメントだ。「マーケットが上昇している。さて、あなたはどうするべきか?マーケットが横ばいだ。さて、あなたはどうするべきか?マーケットが下がっている。さて、あなたはどうするべきか?いつも同じことの繰り返しです。」
ようするに、ブロジェット氏が指摘していることは、ほとんどのアナリストには先見性がなく、起きたことに対して単に反応しているだけだ。大投資家のウォーレン・バフェット氏の言葉を借りれば、大半の人たちはバックミラーを見ながら投資判断をしているだけに過ぎない。
とまあここまで書いてみたが、何のことはない。投資者たちは怒っているのだ。先週の急落を、事前に誰も教えてくれなかった。いったいアナリストは何をしているのだ?投資は自己判断、と分かっていても誰かに責任をなすりつけたいだけだ。
さて、アナリストにはsell sideとbuy sideの二種類がある。sell sideというのは、ベア・スターンズ、リーマン・ブラザーズ、それにメリル・リンチなどの証券会社に勤務する、私たちにお馴染みのアナリストのことだ。ご存知のように、格上げや買い推奨などは、顧客による株取引回数に大きく影響するから、証券会社にとってアナリストのレポートは重要だ。
ミューチュアルファンドや、ヘッジファンドに勤務するアナリストがbuy sideアナリスト、と呼ばれる。sell sideのアナリストは、買い推奨や格上げなどの発表をするが、buy sideアナリストの意見が外に漏れることはほとんどない。もちろん、それは決して不思議なことではない。ヘッジファンドのアナリストが、いちいち皆に買いだ、売りだと手の内を公開していたのでは、ファンドの成績に悪影響をおよぼす危険がある。
正確に質問をするなら、sell sideのアナリストは本当に役立つのか、ということになる。公認証券アナリストの、ライアン・ファーマン氏の意見を紹介しよう。
「インターネット株がブームだった90年代後半ですが、一部のアナリストのためにsell sideアナリストの全体が傷ついてしまいました。手数料稼ぎや、インベストメント・バンキング部門の収益上昇を狙って、あきらかにデタラメなレポートを作成していたのですから、とにかく極めて非道徳的な行動です。
残念なことですが、今でも投資者の頭の中には「汚いアナリスト」、というイメージが残っているのです。間違いなく、アナリストのレポートは投資に役立ちます。ただ、一部のアナリストのために、sell sideのアナリストには新規制が加えられてしまいました。ですから、優秀なアナリストはbuy sideに流出しているのが現状です。」
ようするに、ブロジェット氏が指摘していることは、ほとんどのアナリストには先見性がなく、起きたことに対して単に反応しているだけだ。大投資家のウォーレン・バフェット氏の言葉を借りれば、大半の人たちはバックミラーを見ながら投資判断をしているだけに過ぎない。
とまあここまで書いてみたが、何のことはない。投資者たちは怒っているのだ。先週の急落を、事前に誰も教えてくれなかった。いったいアナリストは何をしているのだ?投資は自己判断、と分かっていても誰かに責任をなすりつけたいだけだ。
さて、アナリストにはsell sideとbuy sideの二種類がある。sell sideというのは、ベア・スターンズ、リーマン・ブラザーズ、それにメリル・リンチなどの証券会社に勤務する、私たちにお馴染みのアナリストのことだ。ご存知のように、格上げや買い推奨などは、顧客による株取引回数に大きく影響するから、証券会社にとってアナリストのレポートは重要だ。
ミューチュアルファンドや、ヘッジファンドに勤務するアナリストがbuy sideアナリスト、と呼ばれる。sell sideのアナリストは、買い推奨や格上げなどの発表をするが、buy sideアナリストの意見が外に漏れることはほとんどない。もちろん、それは決して不思議なことではない。ヘッジファンドのアナリストが、いちいち皆に買いだ、売りだと手の内を公開していたのでは、ファンドの成績に悪影響をおよぼす危険がある。
正確に質問をするなら、sell sideのアナリストは本当に役立つのか、ということになる。公認証券アナリストの、ライアン・ファーマン氏の意見を紹介しよう。
「インターネット株がブームだった90年代後半ですが、一部のアナリストのためにsell sideアナリストの全体が傷ついてしまいました。手数料稼ぎや、インベストメント・バンキング部門の収益上昇を狙って、あきらかにデタラメなレポートを作成していたのですから、とにかく極めて非道徳的な行動です。
残念なことですが、今でも投資者の頭の中には「汚いアナリスト」、というイメージが残っているのです。間違いなく、アナリストのレポートは投資に役立ちます。ただ、一部のアナリストのために、sell sideのアナリストには新規制が加えられてしまいました。ですから、優秀なアナリストはbuy sideに流出しているのが現状です。」