先週のハイライトは、火曜のマーケット急落だ。ダウ指数は、瞬時500ポイントを超える下げとなり、言うまでもなく売り物が殺到した。「マスコミは様々な下げ原因を報道していますが、完全に間違っている情報、誤解されやすい情報がほとんでです」、とファンドマネージャーのバリー・リットホルツ氏は言う。氏が指摘する、今回の一件に関する作り話のような報道のいくつかを見てみよう。
1、中国政府が下げ原因: 現在の一般投資者たちによる無謀とも言える株売買を防ぐために、中国政府は証券取引所の会員証券会社に、新たな規制を加えることを発表した。マスコミによれば、これが大幅な下げ原因になったということだが、規制発表があったのは日曜日だ。翌日の月曜、中国市場は最高値を記録している。
2、グリーンスパン前連銀議長の発言が下げ原因: 実際に前議長が言ったことは、「2007年の後半に不景気に陥る可能性もあるが、ほとんどのアナリストやエコノミストはそのような予想をしていない」、ということだ。どう考えても、この言葉が株安を引き起こしたとは思えない。前議長のコメントが報道されたのは月曜の朝だが、その日マーケットはほとんど動かなかった。
3、上海マーケットの大幅下落が下げ原因: 火曜、たしかに上海は8.8%に及ぶ下げになった。しかし、これが米国株式市場を急落させる原因になったとは思われない。なぜなら、同日ハンセン指数はマイナス1.76%、韓国はマイナス1.05%、そして東京は0.52%の下げだった。上海がそれほど重要な市場なら、全てのアジア市場が大きく下げていたはずだ。
4、コンピュータの不具合が下げ原因: コンピュータの集計システムの不調で、3時頃ダウ指数はほんの10分間で250ポイントの下げとなった。しかし、よく考えてほしい。これが起きる前に、ダウは既に290ポイントも下げていたのだ。
5、今回のような急落は健全だ: 健全な下落幅は0.5%から1%までだ。記録的に膨れ上がった出来高が今回特に目立つ。ナスダック100指数に連動するQQQQだけでも、3億株を超える出来高だ。更に、下げ出来高が上げ出来高を圧倒的に上回り、投資心理が大きく変わったことを示している。
6、更にマーケットが悪化するようなら、連銀は金利引下げに踏み切る: それはブルたちが切に望んでいることだ。現に連銀は、そのようなことを実行したことがある。2001年から2003年の不景気の時だが、結果は悪性なインフレを引き起こした。もし今回、利下げをするようなことがあれば、住宅価格の急騰が再開され、原油は75ドルを突破することになるだろう。
Monday March 5, 2007
US Market Recap
もっともらしい報道、しかし
Stocks You Need To Know About
20%レベルに迫る
上の週足チャートは、S&P500指数に属する銘柄の、何パーセントが中期トレンドを見る50日移動平均線の上にあるかを示したものだ。先週のマーケット急落で、数値は34%に達し、一時的な底入れ目安になる、20%が近くなった。
Wall Street English
注目される金曜の雇用統計
Job growth is expected to slow to 100,000 jobs in February after averaging 155,000 over the past four months.
過去4カ月にわたって、新規雇用者数は月平均15万5000人の伸びを記録していたが、2月分は10万人に下がる、というのが大方の見方だ。
過去4カ月にわたって、新規雇用者数は月平均15万5000人の伸びを記録していたが、2月分は10万人に下がる、というのが大方の見方だ。