今回の世界的な株安は、ご存知のように中国が震源地になった。この大幅下落で慌てたのは、金利の低い円で資金を調達して、利回りの高い国で運用する「円借り取引」をしていた人たち(主にヘッジファンドや大手金融機関)だ。大幅に増え続ける円借り取引は、いつかマーケットに大きな悪影響を与える、と以前から警報を発していた人たちの見方を要約しよう。
円借り取引の終焉は、世界の金融市場に大混乱を引き起こすことになるだろう。具体的な数字は分からないが、少なくとも40兆円にのぼる金額が円借り取引に利用されているから、これらが一斉に売られたら、世界の市場は間違いなく大幅下落になる。
円借り取引は、単に株だけの話ではない。国債、定期預金、不動産、商品市場、とにかく取引できるもの全てに及んでいる。「円借り取引は、マーケット関係者の想像を超える規模に達しています。何らかの理由で、円借り取引が終わるようなことになれば、極めて悲惨な事態になることでしょう」、とHSBCのアナリスト、デービッド・ブルーム氏は言う。
日本の超低金利を利用して、もう10年以上、円借り取引は海外投資家の重要な投資方法の一つになっている。0%に近い金利だから、海外で3.5%の定期預金をするだけでも十分だ。投資が終了したら、通貨を円に替えて日本に返すことになるが、もし円が安くなっていれば為替でも儲けることができる。
ブルームバーグのウィリアム・ぺセック氏はこう述べている。「円借り取引は、あるとあらゆるところに浸透しています。もちろん、グーグル(GOOG)買いにも使われています。ですから、何らかの原因で円高になることは、世界の株式市場に打撃を与えるだけでなく、世界経済にも支障が起きることでしょう。
1998年を思い出してください。ロシアの債務不履行が原因になって、大手ヘッジファンドのロングターム・キャピタル・マネージメントが破綻しました。市場はパニック状態に陥り、約2カ月で円は20%も上昇しました。もしこれと似たような事件が起き、円が急騰するような事態が発生すれば、円借り取引が世界の株式市場を混乱させることは間違いありません。
円借り取引は40兆円におよぶ、と推定されていますが、これはオーストリアの経済規模を上回る数値です。しかし、実際は40兆円をはるかに超える金額です。なぜなら、多数のヘッジファンドの参入で、高レバレッジを利用した投機が頻繁に行われているからです。もし一大事となれば、おそらく連銀は適切な対処をするのは無理でしょう。」
円借り取引の終焉は、世界の金融市場に大混乱を引き起こすことになるだろう。具体的な数字は分からないが、少なくとも40兆円にのぼる金額が円借り取引に利用されているから、これらが一斉に売られたら、世界の市場は間違いなく大幅下落になる。
円借り取引は、単に株だけの話ではない。国債、定期預金、不動産、商品市場、とにかく取引できるもの全てに及んでいる。「円借り取引は、マーケット関係者の想像を超える規模に達しています。何らかの理由で、円借り取引が終わるようなことになれば、極めて悲惨な事態になることでしょう」、とHSBCのアナリスト、デービッド・ブルーム氏は言う。
日本の超低金利を利用して、もう10年以上、円借り取引は海外投資家の重要な投資方法の一つになっている。0%に近い金利だから、海外で3.5%の定期預金をするだけでも十分だ。投資が終了したら、通貨を円に替えて日本に返すことになるが、もし円が安くなっていれば為替でも儲けることができる。
ブルームバーグのウィリアム・ぺセック氏はこう述べている。「円借り取引は、あるとあらゆるところに浸透しています。もちろん、グーグル(GOOG)買いにも使われています。ですから、何らかの原因で円高になることは、世界の株式市場に打撃を与えるだけでなく、世界経済にも支障が起きることでしょう。
1998年を思い出してください。ロシアの債務不履行が原因になって、大手ヘッジファンドのロングターム・キャピタル・マネージメントが破綻しました。市場はパニック状態に陥り、約2カ月で円は20%も上昇しました。もしこれと似たような事件が起き、円が急騰するような事態が発生すれば、円借り取引が世界の株式市場を混乱させることは間違いありません。
円借り取引は40兆円におよぶ、と推定されていますが、これはオーストリアの経済規模を上回る数値です。しかし、実際は40兆円をはるかに超える金額です。なぜなら、多数のヘッジファンドの参入で、高レバレッジを利用した投機が頻繁に行われているからです。もし一大事となれば、おそらく連銀は適切な対処をするのは無理でしょう。」