2006年、ミューチュアルファンドAは+15%の成績、そしてBは3%増の結果だった。さて、あなたなら今年どちらへ投資するだろうか?歴史は繰り返す、という言葉を信じるならAを選んでも構わない。しかし、「The Wall Street Self-defense Manual」の著者、ヘンリー・ブロジェット氏は、歴史は大してあてにならないと言う。少し氏の話を聞いてみよう。
最近、T. Rowe Price社が積極的にミューチュアルファンドを売り込んでいる。「最近1年間、5年間、そして10年間を振り返ると、当社が扱うファンドの7割が、業界平均以上の成果を上げている」、といった内容の広告を使って、いかに過去の成績が優れているかを強調している。
もちろん、広告の下には「過去の実績は将来の利益を約束するものではない」、と小さな断り書きがある。私が思うことは、過去の実績ほど将来の予想に役立たないものはない。今までこんなに素晴らしい成績だった、と過去ばかりを重要視するファンド会社は、単に投資者の心理的弱点を利用しているだけだ。
優れた成績は、必ずしもファンドマネージャーの腕が良かったためではない。なぜなら、単にラッキーだっただけ、ということも十分にありえる。何のルールにも従わず、無作為に株を選んだ場合でも、約50%の確率で好成績を上げることができる。(猿に株を選択させる実験が有名)長年にわたるデータを基に判断するなら話は別だが、短期間の情報では3割3分の打者と、3割1厘の打者の違いを見つけるのは難しい。
投資テーマもファンド成績に大きく影響する。たとえば、90年代の後半は成長株中心ファンドが素晴らしい成果を上げ、2000年から2006年は割安株専門ファンドが平均を上回る成績を上げている。ようするに、時流の投資テーマに乗ったファンドなら、それなりの数値を残すことができる。
たとえ、長年の実績があるファンドマネジャーのファンドに投資したとしても、今年も良い利益が得られるとはかぎらない。なぜなら、
1、ファンドマネージャーが他社に引き抜かれる可能性がある。
2、優秀ファンドマネージャーともなれば、あちこちから声がかかる。株に対する情熱も冷め、趣味に時間を割くようになり、株リサーチがおろそかになる。
3、成績の良いファンドには、投資者からの資金が更に集まり、ファンドが巨大化する。これは規模の不経済を引き起こすから、好成績を上げるのが困難になる。
4、好成績を理由に、ファンド会社が口座管理料金を値上げすることがある。これが、成績の低下につながる。
過去の実績が大事、という考え方は常識なっている。しかし、インデックス・ファンド以外に、この考え方を適用することはできない。
最近、T. Rowe Price社が積極的にミューチュアルファンドを売り込んでいる。「最近1年間、5年間、そして10年間を振り返ると、当社が扱うファンドの7割が、業界平均以上の成果を上げている」、といった内容の広告を使って、いかに過去の成績が優れているかを強調している。
もちろん、広告の下には「過去の実績は将来の利益を約束するものではない」、と小さな断り書きがある。私が思うことは、過去の実績ほど将来の予想に役立たないものはない。今までこんなに素晴らしい成績だった、と過去ばかりを重要視するファンド会社は、単に投資者の心理的弱点を利用しているだけだ。
優れた成績は、必ずしもファンドマネージャーの腕が良かったためではない。なぜなら、単にラッキーだっただけ、ということも十分にありえる。何のルールにも従わず、無作為に株を選んだ場合でも、約50%の確率で好成績を上げることができる。(猿に株を選択させる実験が有名)長年にわたるデータを基に判断するなら話は別だが、短期間の情報では3割3分の打者と、3割1厘の打者の違いを見つけるのは難しい。
投資テーマもファンド成績に大きく影響する。たとえば、90年代の後半は成長株中心ファンドが素晴らしい成果を上げ、2000年から2006年は割安株専門ファンドが平均を上回る成績を上げている。ようするに、時流の投資テーマに乗ったファンドなら、それなりの数値を残すことができる。
たとえ、長年の実績があるファンドマネジャーのファンドに投資したとしても、今年も良い利益が得られるとはかぎらない。なぜなら、
1、ファンドマネージャーが他社に引き抜かれる可能性がある。
2、優秀ファンドマネージャーともなれば、あちこちから声がかかる。株に対する情熱も冷め、趣味に時間を割くようになり、株リサーチがおろそかになる。
3、成績の良いファンドには、投資者からの資金が更に集まり、ファンドが巨大化する。これは規模の不経済を引き起こすから、好成績を上げるのが困難になる。
4、好成績を理由に、ファンド会社が口座管理料金を値上げすることがある。これが、成績の低下につながる。
過去の実績が大事、という考え方は常識なっている。しかし、インデックス・ファンド以外に、この考え方を適用することはできない。