Thursday February 15, 2007

US Market Recap

銀行と不法滞在者

バンクオブアメリカ(BAC)が、ソーシャル・セキュリティー・カードを所持しない人にも、クレジットカードを発行する、と発表したのは火曜日のことだった。ソーシャル・セキュリティー・カードは、社会保障庁から発行され、身分証明として使えるアメリカ全住民が持つカードだ。

今回のバンクオブアメリカの発表は、全支店に適用されるのではなく、ロサンゼルスにある51支店だけに限られる。銀行側は、あくまでも試験的なものであり、何の支障も発生しなければ全店で実施する、と説明している。しかし、このニュースが大きな論争を引き起こしてしまった。

銀行を批判する声の要点は、「ソーシャル・セキュリティー・カード無しでクレジットカードを発行することは、不法移民を支持しているのと同じだ」、というものだ。トム・タンクレド下院議員は、早速こう語っている。「バンクオブアメリカは、テロリストたちの資金支援をしたいようだ。もちろん、テロリストだけでなく、他の犯罪組織にも利用される可能性が十分ある。」

国土安全保障省の、ラス・ノック氏はこう述べている。「ひじょうに問題のある決定です。既に社会問題になっている個人情報の盗難が、更に悪化することが考えられます。それに、マネーロンダリングも増えることでしょう。」

現在、アメリカには1200万人の不法滞在者がいる、と推定されている。法律の目から見れば1200万人の犯罪者だが、銀行にとっては将来的な客だ。

たとえば、ウェルズファーゴ銀行(WFC)は、これも試験的なものだが、約1年ほど前からロサンゼルス郡とオレンジ郡で、ソーシャル・セキュリティー・カードを持たない人たちに、住宅ローンサービスを始めた。条件は、アメリカに少なくとも2年間滞在していること、そして国税庁から発行された納税者番号を持っていることだ。「当行では現在、ソーシャル・セキュリティー・カードが無い人たちにも、クレジットカードの発行を検討しています」、と広報担当のメリー・トリッグ氏は言う。

バンクオブアメリカの決定を、称賛する人たちもいる。「クレジット歴が浅い移民者は、住宅ローンなどの金利が割高になる、という大きな問題がありました。ソーシャル・セキュリティー・カードの無い人たちがクレジットカードを使えるようになれば、一般の人たちと同様な金利で金を借りることができます」、とロバート・グネイズダ氏(グリーンライニング協会)は指摘する。

もはやバンクオブアメリカにとって、ソーシャル・セキュリティー・カードの有無は関係ない。現に、ウェルズファーゴ銀行が領事館発行の身分証明者をソーシャル・セキュリティー・カードの代わりとして認めるようになってから、100万以上のメキシコ人口座獲得に成功している。ボヤボヤしている時間はない。競争相手は確実に市場を広げている。

Stocks You Need To Know About

国債に連動するTLT

バーナンキ議長の発言で国債が買われた。下が国債に連動するTLTの日足だ。

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注目してほしいのはA点だ。トレンドラインを突破した後、もう一度TLTはトレンドラインに戻ってきている。それがA点だ。株価は、いったん破ったトレンドラインに戻る習性があるから、買い場として利用できる。

Wall Street English

バーナンキ・ラリー

U.S. stocks rally as Bernanke sees inflation easing

連銀議長の、インフレが緩和している、という見方でマーケットが大きく上昇していることを伝えるヘッドラインだ。

更に、大手半導体装置のアプライド・マテリアルズの好決算で、ナスダック市場も上げている。

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